VEC TOPICS
2019年7月17日
樹脂製建具のメタルハライドランプによる促進耐候性試験法のJIS化に向けて
 VECでは、2018年度に1年間、塩ビサッシ超促進試験法JIS研究会を東京大学/野口研究室、機械メーカー、サッシメーカーの方々と行ってきましたが、おおよその試験条件等がまとまったため、今般、2020年度JIS取得を目指し、7月31日(水)までにJIS化申請を行います。

 

JIS化を図る意義
 従来用いられてきた疑似太陽光源の種類には、キセノンランプ式、カーボンアーク式等、既にJISに認定された促進試験機がありますが、今回検討対象とするメタルハライド式試験機はこれらの試験機に比べ有効に作用する紫外線の強度が非常に強いため、約1/ 10の時間で評価できます。
 樹脂サッシのような長寿命が求められる製品では、往々にして効果の評価にも時間がかかってしまいがちですが、メタルハライド式試験機を用いれば、従来に比べ桁違いに短時間で評価ができるため、製品開発の圧倒的なスピートアップを図ることが出来ます。これまでは、メタルハライド式試験方法が標準化されていないため、樹脂サッシメーカーはそれぞれ固有の試験データを取り、蓄積してきましたが、本試験法に係るJISが制定されれば、データの比較や共有化が図れる機会が大きく広がることが期待されます。また、このような試験法の標準化により、樹脂サッシの全体の製品開発の向上と品質のレベルアップが図れるものと期待されます。

具体的な検討の進め方・スケジュール(調整中)
7月31日   JIS化申請
7月〜11月  JIS化原案作成に必要な最終試験を実施
12月ごろ  JIS化原案についての委員会立ち上げを目指す
検討委員会の主な構成:東京大学 野口教授 (委員長)、メタルハライド式試験機メーカー、樹脂窓メーカーら

参考図 促進耐候試験の光源の比較
 従来のキセノンランプが太陽光と比べし外部に2倍程度のエネルギーを持つのに対し、メタルハライドランプ光源は、太陽光に比べし外部に20倍以上のエネルギーを持つため、1/10程度の期間で評価を行うことができる。