===「塩ビと環境のメールマガジン」 第13号 ===
2001/11/29
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目 次
☆巻頭コラム
ドイツの塩ビ事情
「年間18kgの塩ビを使うドイツ人」
☆塩ビ・リサイクルの実態に感嘆の声
「あるグローバル企業の展示会にて」
☆わが社の環境活動(8)
鐘淵化学工業(株)
「環境に貢献する製品と技術の開発を軸に」
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☆巻頭コラム
ドイツの塩ビ事情
「年間18kgの塩ビを使うドイツ人」
環境問題が語られる時、決まり文句のように「環境先進国のド
イツでは……」という表現がでてくるのは、ご承知の通りだと思
います。
最近、ドイツの「塩ビ事情」をドイツに住まわれている方から、
直接聞く機会がありましたが、日本とドイツの実状の違い、そし
て認識の違いに大いに興味をそそられました。
日本では、「ドイツといえば環境先進国、従って塩ビは、あま
り使われていない」と思われがちです。実際、過去においては一
部の自治体レベルで塩ビボトルの規制が行われたり、最近では、
EU(欧州連合)として、3歳以下の乳幼児が口にするおしゃぶ
りや歯固めの使用を制限する時限規制が話題となりました。
しかし、直近の2000年のデータによると、ドイツにおける
塩ビの生産量、需要量は着実かつ共に伸びており、因みに、ドイ
ツ国内の使用量152万トンは、今年の日本の塩ビの国内出荷量
に匹敵する数字となっています。日本の人口は1億2千数百万人、
ドイツは8200万人ですから、ドイツでは国民1人当たり年間
18キログラム、日本人のなんと1.5倍の塩ビを使っているこ
とになります。
需要の中心は、やはり建材。特に省エネ性に富む窓枠は、地球
温暖化防止におけるCO2削減プログラムの大きな目玉になって
いるとのことでした。
一方、フタル酸エステルについては、様々な検討が行われ、例
えば壁紙におけるフタル酸エステルの空気中濃度においては、そ
の量は非常に少なく、TDI(耐容一日摂取量)を明らかに下回
っているという報告がなされています。
リサイクルに関しては、生産ロス品のリサイクル率は95%、
使用済み製品においても、マテリアル・リサイクルやケミカル・
リサイクルが積極的に進められているとのことでした。
特に、硬質塩ビにおいては、マテリアル・リサイクルを行って
も、新品と同等の性能が得られ、かつ経済性にも優れているとの
ことで、環境適合素材として大きく評価されているとのことでし
た。
このようなことで、ドイツでは、小学校の環境教育においても、
塩ビの有用性を習うカリキュラムも出来てきたとのことです。
まさに、日本の常識?を遥かに超えた「環境先進国ドイツ」の
「塩ビ事情」、日本もドイツに習え、ドイツを越えろといったと
ころです。
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☆塩ビ・リサイクルの実態に感嘆の声
「あるグローバル企業の展示会にて」
●去る11月22日、愛知県下の大企業において塩ビのリサイクル品
を展示説明する機会を得て、同社内の設計、購買など約1000名
の方々にご覧頂きました。
事前にお聞きしていた範囲では、取引先からのお達しもありフロン
とハロゲンの使用は全廃する方向で取組んでおられるとのこと。し
かし幸いなことに塩ビに関しては毛嫌いされている方はごくわずか
で、多くの方々は熱心にパネルを読まれ、塩ビのリサイクル品を手
に取って頂きました。ビニールハウスが床タイルや車止めに、塩ビ
壁紙がブロックや植木鉢へ、塩ビパイプが塩ビパイプへリサイクル
されていることに驚かれる方も多数。「塩ビはリサイクルが古くか
ら行われており、プラスチックの中で最も進んでいる」という説明
にも納得のご様子でした。
●一方、かなり現実的なご質問もちらほら見受けられました。
「社内のゴミは分別していて、塩ビも分けているけどリサイクルで
きるの?」
「社員証入れも塩ビ製だけど使い終わった後どうなるのかしら?」
「ゼロエミを目指しているので、処理のしづらい物はどうしても使
い難い」などなど。
●総じて、塩ビは使用後の処理さえしっかりしていれば有用なものだ
と考える方が多かった様でした。と同時に、塩ビ業界は循環型社会
の構築の一翼を担うべくリサイクルシステムを構築中ですが、それ
をうまく利用できるまでには今しばらくの時間が必要との現実もあ
り、そのギャップをどのように埋めていくかが重要な問題であると
実感しました。
私たちにとって今できることは、塩ビユーザーの悩みをお聞きし、
できる限り現実的にお答えしていくこと、これがこれからも塩ビを
お使い頂くために大切なことではないかと強く感じた次第です。
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☆わが社の環境活動(8)
鐘淵化学工業(株)
「環境に貢献する製品と技術の開発を軸に」
●企業理念の実現をめざして
カネカは「人と技術の美しい調和」のスローガンのもと確かな価値
を創造し、世界の人々に貢献することを企業理念としています。こ
の企業理念に基づいて、社会の持続的発展と豊かな社会の実現をめ
ざし、よき市民の一員として環境に貢献する活動を幅広く進めてい
ます。
レスポンシブル・ケア活動、ISO14001活動を通じて、環境
負荷の低減、安全な製品や情報の提供、環境に配慮した製品・技術
の開発、廃棄物の減量とプラスチック・リサイクルの推進などの具
体的活動に取り組んで成果をあげています。
●先駆的な排出削減と再資源化
生産活動を通じて環境に排出される物質の削減には、VECをはじ
め関連業界と連携して重点物質の自主削減目標を設定し、達成して
います。
さらに、工場で発生する産業廃棄物は再資源化をすすめ、最終処分
量を前倒しで削減しています。
●省エネルギー製品の多彩な展開
当社の環境活動の特徴の一つは、環境に貢献する製品と技術の開発
です。
エネルギー資源の有効利用を図る製品群の開発に重点的な展開を行
い、薄膜シリコン太陽電池、資源節約を実現する発泡プラスチック
製品、住宅の省エネに貢献する断熱材や省エネ住宅システム、オゾ
ン層破壊防止・地球温暖化防止に役立つノンフロン型の高性能断熱
材など、次々と製品ラインに加えてきました。
塩ビサッシ窓も、戸建住宅の冷暖房エネルギー・ロスの半分以上を
くいとめるという、次世代省エネ基準の達成には不可欠な有力製品
の一つです。
●省エネルギー製品をさらにリサイクル
プラスチック・リサイクルには十数年前から取り組んでおり、お客
様と共に種々のマテリアル・リサイクル技術を開発して来ました。
多様な用途・多様な形で活用されている塩ビ製品の様々なリサイク
ル技術、発泡スチロールや軽量発泡畳のリサイクル技術を開発し、
多方面で実用化されています。
塩ビや発泡プラスチックはそれ自体が石油資源の有効利用に役立つ
素材です。これらをリサイクルすることによって、更に資源節約を
図ることが出来ると考えています。
●環境と経済の両立めざして
このように、当社は環境への化学物質の排出や廃棄物削減はもちろ
ん、製品自体の環境特性を改善する活動を行い、プラスチック・リ
サイクル、クリーンエネルギー、環境適合ポリマー等の研究技術開
発に研究開発費の約10%を投入しています。
製品機能やそれから得られる消費者の便益と環境特性をバランスよ
く実現するために、鐘化は研究開発がますます重要だと考えていま
す。
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☆お知らせ
■出展予定 エコ・プロダクツ2001(東京)
12月13日(木)〜12月15日(土)
10:00〜17:00
東京ビッグサイト 東4ホール ブースNO.248
(ゆりかもめ 国際展示場正門駅 下車)
■「塩ビ樹脂生産・出荷実績表」および「塩ビモノマー生産・出荷
実績表」をホームページにて掲載しています。
https://www.vec.gr.jp/data/data.htm
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☆編集後記
11月も終わりに近づき、木枯らし間近かな季節になりました。
11月末と言えば年末ジャンボのシーズン。H2も人の子、3億
円欲しさに毎回宝くじを買います。
しかし、まだ一度も当ったことがありません。
でも、人生に2回も当たる奴は先ずいないだろうから、
当たったことがないということは逆に言えば、今後
当たるチャンスが高い、ということなのです。
万一当たっても、誰にも言いません。
もちろんメルマガなぞには書きません。
黙ってニヤニヤしているつもりです。(H2記)
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[塩ビと環境のメールマガジン]
発 行 塩ビ工業・環境協会
編集責任者 佐々木 修一
塩ビ工業・環境協会 https://www.vec.gr.jp
塩化ビニル環境対策協議会 http://www.pvc.or.jp