NO.191
発行年月日:2008/09/04

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トピックス
◇樹脂サッシを設置しました
(社)日本化学工業協会 勝木維宏

随想
古代ヤマトの遠景(28)—【日前・国懸神宮】—
信越化学工業(株) 木下清隆

編集後記

トピックス
◇樹脂サッシを設置しました
(社)日本化学工業協会 勝木維宏

リビング(設置前)
和室の樹脂サッシ用レール(矢印)
和室(設置後)
リビング(設置後)
 子どもの小学校入学を機に、昨年3月に中古のマンションを購入しました。リビングは東西に面していて、日当たりや風通しもGood。ただ、気密性が高いためどうしても冬にはひどく結露が出てしまい、このままずっと暮らすうちに家中カビだらけになってしまわないか?ということで、まずは、LD・キッチン・和室の3部屋4ヶ所に、住宅ローン減税の還付金を利用して、樹脂サッシを導入することにしました。

 導入を決めたのは今年2月下旬でした。ところが、NEDO((独)新エネルギー・産業技術総合開発機構)の助成制度の応募期限が「3月6日」であることを知り、急いで専門業者の方に連絡し、見積もりを出してもらい、書類申請をしました。
 ただ、「申込み多数の場合は抽選」とあったので「最近はみんなの地球温暖化への意識も高まってきたので応募は多いだろうな、外れたら随分高くなってしまうなあ〜」と思っていたところ、4月末に無事当選したとの通知が届きました。ホッとしましたが、書類をよく読むと「今回応募の内、補助要件に適合するものが昨年度の同じ回の5倍(5,240件)と大幅に増え、抽選をすると多くの人が落選するので、補助率を当初の1/3から1/4に下げて全員当選とする」と書いてあり、予定の費用からは少し多く自己負担することになりました。

 その後、6月に入ってサッシ製作のためにもう一度詳細な採寸を行い、6月21日に設置工事をしました。当日は15時過ぎに業者の方が2名来られ、まず部材を部屋の中に搬入、程なく作業に取りかかります。和室のレールは、もとからあった障子の木枠を利用します。
 窓が3枚あるリビングは時間がかかるかなと思いましたが、2人の連携よろしく工事は進み、枠がすぐにできました。
 その後も順調に作業は進み、無事に仕上がりました。和室は、木目調の窓枠に和風障子調のものをつけたので、違和感もありません。子どもが障子紙をあちこち破っていたので、とてもすっきりしました!リビングはホワイトの窓枠にしたので、部屋が明るく感じられます。
 そして、施工確認のため写真を撮り終わり業者の方が帰られたのは17時半と、結局“たったの2時間半弱!”で4ヶ所の工事が完成してしまいました。こんなに早く終わったのは、我が家の場合、カーテンレールの取外し/再取付けの作業が必要なかったからかもしれません。

 樹脂サッシを設置して、一応ひと夏を終えようとするにあたっての感想ですが、外から家に帰った時に、部屋の中が暑くて耐えられないということはなくなりました。そして、内窓を空けた際に、外窓との間の空気が(部屋より)ずっと暖かかったのを感じ、しっかりと断熱されているからだと思いました。今後は、冬の結露がなくなることを期待しつつ、また来年、残りの部屋にも設置したいと考えています。(了)

随想
古代ヤマトの遠景(28)—【日前・国懸神宮】—
信越化学工業(株) 木下清隆

 前回は、「神武東征譚」に登場する「五瀬命」が実在の人物である可能性が高いことを示し、そのことから大己貴命(おおなもちのみこと)或いは神武天皇は、初代倭王をモデルにして創作された人物である可能性があることを示した。その可能性を探るためにも少し、いろんな角度から検討してみることにする。

日前・国懸神宮
 和歌山市内に「日前・国懸神宮」がある。これは日前(ひのくま)神宮と国懸(くにかかす)神宮が同じ境内に並び立っていることからの略称である。地元では「にちぜん」と呼称されているようで、「ひのくま」はあまり馴染みがないようだ。この難読神社の代表のような両神宮は、古来謎の多い神宮として専門家の間で夙に有名である。何が謎かといえば、この神宮には「神階」が一度も与えられていないことが挙げられている。例の「従二位」とか「正一位」といった祭神に与えられた位のことである。
 この神階を与える風習が何時頃始まったのかは定かではないが、記録上では八世紀後半の称徳天皇の頃からで、平安時代の終わり頃まで約400年間ほど続いたようである。この神階も臣下に与えられるのと同様に段階を踏んで昇叙され、ついに極位の正一位に至って打ち止めとなる。なお、存命中の人に対する極位は従一位である。極位を賜った著名な神社とその時期を掲げると次のようになる。
  上・下賀茂神社(807) 大神神社(859) 松尾大社(866) 石上神宮(867)
  香取神宮(882) 熊野本宮大社(940) 伏見稲荷(942) 貴船神社(1140)

 正一位といえば、「お稲荷さん」というくらい、稲荷神社の代名詞のようになっているが、他にもこの位に叙せられた著名な神社は結構あることが分かる。要するに他の神社は稲荷神社のように宣伝しなかったということであろう。
 極位に叙せられたトップが賀茂神社というのは当然と考えられる。この当時、この神社は山城の王城鎮護の社としての地位を獲得していたからである。次の大神(おおみわ)神社も卑弥呼時代からの朝廷の守護神だから、これも当然といえる。しかし、古代から朝廷の最高の神社は伊勢神宮のはずで、ここに神階が与えられていないのはおかしな話と言える。ところが良く考えてみると神階を与えている、時の天皇は、天照大神の子孫たち、即ち皇孫である。その皇孫が自分達の先祖に神階を与えるというのは、とんでもないバチ当たりな所業といえる。このような理由から、天照大神には神階が与えられなかった。
 ところが「日前・国懸神宮」にも全く神階が与えられなかったのである。この神社は皇孫から見たとき祖神が祀られているとでも解釈しなければ、その理由を説明できない。要するに、
  日前・国懸神宮の祭神 = 天照大神  の関係があれば、問題は簡単だが、どのように調査してもこの関係は見出せないのである。このようなことから、或る古代学の泰斗は「日前・国懸神宮の祭神問題は、神階が与えられなかった理由を説明できなければ、解決したことにならない」と述べているくらいである。

 次にこの神社が古代においてどの程度の地位にあったかを紹介しておこう。それを物語るのは、『新抄格勅符抄』(しんしょうきゃくちょくふしょう)といわれるもので、平安時代の神封(しんぷ)、寺封等について記載された文書である。神封とは神戸と同じで特定の神社に所属し、その祭祀を人的・経済的に支えた民戸のことである。朝廷から与えられる神封が多いほどその神社は経済的に豊かになるし、その戸数はその神社の格付けにもなる。この『新抄格勅符抄』によれば、天平神護二年(七六六)に日前神は五十六戸、国懸須神は六十戸の神封を受けている。話は横にそれるが、同じ紀州には現在では、日前・国懸神宮より遙かに有名な熊野本宮大社と熊野速玉大社がある。この両社がこのとき受けた神封は、それぞれわずかに四戸だった。要するに天平神護時代においては日前・国懸神宮の方が遙かに有名だったということである。このことからも両社の当時の地位が相当に高かったことが推し量られる。因みに、当時伊勢大神に贈られた神封は一一三〇戸にも昇り、国家神として地位を固めようとしていた時の朝廷の意気込みが伝わってくる。

 では日前・国懸神社にはどのような神が祀られているのだろうか。現在はそれぞれ「日前大神」と「国懸大神」が祀られていることになっているが、こんな聞いたこともないような祭神では、この神社が特別待遇を受けていたことの説明は出来ない。ではその解決の鍵を握っているのは何であろうか。目を祭神から、この神社の祭祀を司っている氏族に向けてみると、意外な眺望が開けてくる。
 古代からこの神社の祭祀を司っていたのは、紀国造家である。彼らは書紀の中では、紀直(きのあたい)氏として登場する。ところが紀伊国にはこれとは別に紀臣(きのおみ)氏も記紀の中で大いに活躍する。ここに出てくる「直」「臣」は「姓(かばね)」といわれるものである。要するに紀伊国には紀直氏と紀臣氏という二大勢力が存在していたのである。では、なぜこのような大きな勢力が、二つも存在していたのだろうか。(続く)

前回の「古代ヤマトの遠景」は、下記からご覧頂けます。
☆ 古代ヤマトの遠景(27)・・・【神武東征譚】

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編集後記
 最近は、ペットの飼えるマンションも多いですね。私は飼っていないのですが、買い物に行く途中にペットショップがあって、通りに面してウサギのカゴが置いてあるので、信号待ちの間についつい見てしまいます。いつもは、ちょっと触るとカゴの隅に逃げてしまうのに、その日は水を飲むのに夢中で、いろいろ触ってもしらんぷりだったので、こちらも嬉しくなって、どうやら我を忘れてウサギのミミやら背中やら触っていたようです。
 「帰りでいいから…」という声に振り向くと、そこにはお父さんに手を引かれた、小さな女の子がこちらをじっと見て立っているではありませんか。「はっ」となって顔、真っ赤です。まさに脱兎のごとくその場を立ち去りました。これからウサギを見る時には、まわりに注意しよう。って全く懲りていないし…。(漠)

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