NO.180
発行年月日:2008/06/12

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トピックス
◇「健康・省エネのための住まいを推進するシンポジウム」の報告
樹脂サッシ普及促進委員会 事務局長 川並則夫

随想
エリトリア旅行記(7)−ごはん−
(社)日本化学工業協会 若林康夫

お知らせ
【NEW】PVC Newsが6/16に発行されます。
北海道洞爺湖サミット記念
 環境総合展2008 出展案内
ハイクオリティな家づくりセミナー in 仙台 のご案内

編集後記

トピックス
◇「健康・省エネのための住まいを推進するシンポジウム」の報告
樹脂サッシ普及促進委員会 事務局長 川並則夫

パネルディスカッションの様子
 去る6月3日(火)に経団連会館にて「健康・省エネのための住まいを推進するシンポジウム」が開催されました。主催は「NPO法人シックハウスを考える会」「安全な住環境に関する研究会」の両団体で、塩ビ工業・環境協会も協賛いたしました。
 冒頭、上原裕之氏(シックハウスを考える会理事長・安全な住環境に関する研究会事務局長)から、社会の利益・国民の利益のために世界一の住宅を目指しましょうとの以下のような開会の挨拶がありました。
 この活動は、国民一人一人のために各種団体(関係省庁、産業界、医療界、消費者団体等)が大同団結して、国民の合意を勝ち取って進める必要があります。特に医学と建築学とのコラボレーションという意味では、いわゆる学際のテーマであり、これまで各種個別の実例の紹介はなされていますが、本格的な取り組みはこれからのことになるでしょう。これが、日本が世界に先駆けて始める「健康・省エネ」の起点となり、近い将来日本の健康と省エネ、社会保障対策等を融合したノウハウ、技術、製品が世界中の人々に役に立つようになればと考えているとのことでした。
 以上のことが実現できれば、日本発の住宅関連技術を世界に向けて発信でき、日本は自動車以外の技術にて世界のキーステーションになる可能性が広がることになります。

 続いて、基調講演が4件行われました。
 最初に、「温暖化対策と健康・省エネ住宅の動向」というテーマで東京大学大学院建築学教授坂本雄三先生が、住宅関連(窓の断熱リフォームの有用性)・省エネ基準の改正・補助金による助成策・健康維持増進研究会等、全体の流れについて説明されました。
 2件目は、「日本の住宅における省エネと健康と住宅性能に関する現状と問題点」について実際に住宅リフォームに携わる、有限会社親和創建取締役大滝典子先生から構造躯体の再利用による断熱改修工事の実例についての説明があり、施主の立場になって設計を考えることが大切であるとのお話がありました。
 3件目は、医学的立場として「わが国における脳卒中の現状と予防のための住宅改善に対する期待」について大阪府立健康科学センター健康開発部長北村明彦先生から、特に脳卒中の地域差について、北海道は少なく東北地方が高くなっている等、興味深い報告がありました。住宅居室間(居間やトイレ、脱衣所、浴室等)の温度差によって起こる脳卒中の予防のための住宅改善に対する期待を表明されました。
 4件目は、安全な住環境に関する研究会幹事である、近畿大学理工学部建築学科准教授岩前篤先生より「安全な住環境に関する研究会の研究報告・今後の研究の方向性について」お話がありました。本研究会のこれまでの活動報告と本年度の実施計画として、居住者の健康性とカビ・温熱環境・化学物質濃度等の実態把握及び因果関係の明確化等のデータ蓄積を開始したこと、更には医学と建築学の専門家の連携ネットワークの構築計画等が公表され、具体的活動の開始が表明されました。

 その後、「地球環境を守り国民の健康を守る観点から省エネ住宅促進に向けた国民運動推進について」と題してパネルディスカッションが行われ、関係省庁、産業界、医療界、消費者団体のリーダーが集まり、「地球環境の保持・国民の健康を守る・省エネ住宅の促進」にて、各界は大同団結して進むべきであるとの力強い議論が展開されました。

 今回のシンポジウムは、健康と省エネを本格的に取り上げ、日本の住宅の質の向上を図ることにより、新たな住宅産業を振興するための開始点になったのではないでしょうか。今後の具体的な展開策を如何に推し進めるかが、益々重要になってきています。

 一方、7月の洞爺湖サミットをひかえて、来週6月19日(木)〜21日(土)には札幌ドームにて「北海道洞爺湖サミット記念環境総合展」が開催されます。
 塩ビ工業・環境協会としても、この総合展に出展し、「人と家の健康・長寿に貢献し、地球温暖化対策としても大きな効果がある樹脂サッシ」を中心に、製品展示・パネル説明・パンフレット配布等を行います。これを機会として、北海道が有する優れた断熱技術と本州以南の遮熱技術等を組みあわせて全国に展開すべく、関係者との協働を進めようとしています。又、この期間中に樹脂サッシ普及促進委員会としても、シックハウスを考える会と協働して健康データの取得を依頼する活動等も展開してまいります。
 今後とも、益々健康と省エネ、長寿命を切り口として、日本の住宅の質的向上を目指して奮闘したいと考えております。(了)

随想
エリトリア旅行記(7)−ごはん−
(社)日本化学工業協会 若林康夫

 エリトリア旅行記も最終回となりました。最後はエリトリアで気がついたことをいくつかご案内します。

1.食事
 イタリアの影響を受け、また、いまでもイタリア人やイタリア系エリトリア人の方も多いので、きちんとしたイタリア料理が食べられます。パスタのゆで方や味、ピザの生地やトッピングなども本場イタリアと同じ。おまけに安い!もちろん、お隣のエチオピア同様、ローカルフードであるインジャラや中東料理であるケバブやケフタなども食べられます。
 ただ、イタリア料理に限らず全体的に料理の味付けは薄いです。はじめは標高の関係で味が薄く感じるのかと思いましたが、他の外国人の方も皆、味が薄いと言っています(標高が高くなり、空気が薄くなると人は味を感じなくなります。機内食を地上で食べると、かなり濃い味です)。
 その薄い味を補うかのように、エリトリアの人は青唐辛子が大好き。サラダにもピザにも刻んだ青唐辛子をたっぷりかけます。この唐辛子、それはそれは辛い。辛いものに慣れているはずのタイ人やインド人も一口食べて「水〜」。間違って、前菜やサラダに入っているこの唐辛子を食べてしまうと、その後のメイン料理からデザートまで、味がわからなくなること請け合いです。

 日本料理を出すお店は残念ながらエリトリアにはありません。もちろん、食材も扱っているお店はないので在エリトリア日本人(現在、6名)は個人輸入に頼っているようです。
 ある日、エリトリアで知り合ったアイルランド人から「アジア人なら中華料理が好きでしょ。それならぜひChina Starという中華料理店に行って“焼きそば”を注文しなさい。忘れられない体験ができるよ」と言われ、エリトリアに1件しかない中華料理店に行ってみました。
 さて、頼んだ“焼きそば”が出てきました。
 「*&#$&#?」
 そこには、柔らかくゆで上げたパスタを具と一緒に油で炒め直した“焼きパスタ”が。どう考えても、エリトリアに中華麺があるわけないもんなぁ。でも、この“焼きパスタ”、結構おいしかったですよ。
 お米はインディカ米やスペイン米も含め、市場やスークなどでも全く見かけませんでした。もし、あの中華料理店で“焼き飯”を頼んだら、まさかパスタを細かくしたセモリナ(中近東料理、クスクスの中に使われているパスタの一種)を炒めたものが出てくるのかもしれません。

2.飲み物
 こちらもイタリアの影響が残っており、コーヒーと言えばエスプレッソ。もちろんカフェモカやカフェマキアートなども飲むことはできます。ただ、残念なことにこれらのコーヒーは輸入品。お隣のエチオピアとは異なり、エリトリアではコーヒーは作られていないということです。

 お酒は一部のかなり厳格なイスラム教徒の人を除き、イスラム教徒の人も飲みます(ソフトムスリムの方が大半です)。特に地ビールである「アスマラ」ビールが安い!というより、「アスマラ」ビール以外の種類を見たことがない。瓶ビール1本100円しません。
 ちなみに、コーラは1本200円ほど。そりゃ、コーラを飲むくらいならビールを飲みます!
 ただ、ビールを沢山飲んで泥酔する人もいません。もし泥酔している人がいたら、それは私たちのような外国人です。昨晩も、一人あたりビールを3本ずつ頼んだら、お店の人に「あんたたち、どの位飲む気だ」と驚かれました。
 エリトリアワインもあります。それではちょっと飲んでみましょう。「星、半分です。もっと頑張りましょう。」

3.イタリア
 食事ではこれほど大きな影響を残したイタリアですが、食生活以外ではイタリアの影響を感じることはありません。主な言葉も現地の言葉であるTigrinyaとアメリカ英語。当然、道路標識や役所が発行する文書もTigrinyaと英語の併記。

 それ以外で影響が残っているとすれば住所表示でしょう。エリトリアでは新しい道や大きな通りには『○○通り』というように個別の名前が付けられていますが、普通の通りには名前はありません。その代り、通りには番号が付けられています。私の家の住所は『176−6Street12番地』というように。
 イタリアでも田舎に行くと道路に名前がなく、番号が付けられていますが、エリトリアではどうした訳かこの番号がランダムに付けられています。「176−6」通りの隣は「176−7」通りかといえばそうではなく、街の反対側にある通りが「176−7」通りになっていたりします。せっかく通りを番号で呼ぶのなら、きちんと順番通りに番号を振ればいいような気がします。

4.通達
 エリトリアは禁煙が徹底しています。ホテルやレストランなど公共の場所は全て禁煙。路上でも禁煙。煙草は売っていますが、吸っている人を一人も見ていません。もちろん、吸い殻も落ちていません。ホテルでも室内は禁煙。バルコニーか中庭、屋上でのみ煙草を吸うことができます。
 買い物をすると日本やアメリカでレジ袋に商品を入れてくれますが、エリトリアではお店に袋の用意はありません。せいぜい、新聞紙にくるんでくれる程度です。このため、エリトリアの人は買い物に行く時、必ず袋を持参しています。外国人の場合、お願いをすれば紙袋をくれるお店もありますが、この紙袋は必ずリサイクル用紙を利用したものと決まっています。
 実はこれ、全て法律で決まっています。しかもこの法律、成立後3日でエリトリア全土に施行。例外も、法案成立時、反対意見もなく、3日後にはエリトリア全土の公共の場所から煙草とレジ袋の姿はなくなったといいます。

 独立後、通貨をエチオピアのものからエリトリアの通貨に変更する際でも交換期間は50日。これを過ぎると、それまで流通していたエチオピアの通貨は一切使えなくなり、紙くずになったということです。見方によっては全体主義が徹底しているといえるかもしれませんが、この通達の威力には驚かされます。

 気が付いたことを何の脈絡もなく書き綴った旅行記をお読みいただき、ありがとうございました。
 エリトリア旅行記はこれでお終いです。最後までお読みいただき、本当にありがとうございました。エリトリアは今日もいい天気です。(了)

前回のエリトリア旅行記(6)−戦争− は、下記からご覧頂けます。
https://www.vec.gr.jp/mag/175/index.html#zuisou
エリトリア旅行記のバックナンバーは、下記からご覧頂けます。
https://www.vec.gr.jp/mag/index.html

お知らせ

【NEW】PVC Newsが6/16に発行されます。

PVC News 65号(塩化ビニル環境対策協議会)が発行されます。
目次をご紹介致します。

◇トップニュース1
環境省オフィスの全ての窓が「塩ビサッシ」に
◇トップニュース2
「塩ビリサイクル支援制度」の第1回対象案件決まる!
◇視点・有識者に聞く
LCA、その功績と課題
神戸大学大学院 教授/工学博士 石川雅紀氏
◇リサイクルの現場から
開始半年、塩ビサッシリサイクルモデル事業の現状
◇インフォメーション
NPO「元気ネット」のメンバーが塩ビ管リサイクルの現場を見学
◇インフォメーション
JPEC開発の「マイクロチャンバー法」がJISに
◇海外事例紹介
第10回「塩ビ国際会議」開く(英ブライトン)
◇広報だより
第14回「建築・建材展」で塩ビサッシ・塩ビサイディングをPR
『塩ビ製品カタログ』改訂版発行。再編集で使いやすく

以上、塩ビに関する様々な最新情報をご紹介いたします。

PVC Newsバックナンバーは、塩化ビニル環境対策協議会のHPよりご覧頂けます。
http://www.pvc.or.jp/

北海道洞爺湖サミット記念
 環境総合展2008 出展案内

 下記の要領にて「北海道洞爺湖サミット記念環境総合展2008」が開催されます。
 塩ビ工業・環境協会にて出展し、塩ビサッシに関する情報発信を中心に、製品展示・パネル説明・パンフレット配布等を行います。

・会  期  2008年6月19日(木)〜21日(土)
・時  間 6月19日(木)  10:00〜17:00
6月20日(金)  10:00〜17:00
6月21日(土)    9:30〜16:00
・場 所  札幌ドーム
・入場料 無料
北海道洞爺湖サミット記念環境総合展2008のホームページをご覧下さい。
http://www.do-summit.jp/kankyouten2008/

ハイクオリティな家づくりセミナー in 仙台 のご案内

 樹脂サイディング普及促進委員会、樹脂サッシ普及促進委員会では、下記のセミナーに参加し講演を行います。

 これからの住宅を考える
 〜長期優良(200年)住宅にも必要な構造・省エネ・健康
 =ハイクオリティな家づくりセミナー

・日 時  2008年6月24日(火)
13:00〜17:45 (受付12:15)
・場 所  仙台市戦災復興記念館  地下展示ホール
・主 催  株式会社日本住宅新聞社
・後 援 (社)宮城県建築士会【CPD制度認定講習:3単位】
・参加費  無料
・参加申込み締切り:6月17日(火)先着100名
・お問い合わせ:株式会社日本住宅新聞社
          電話:03(3823)2511

編集後記
 アメリカ民主党の大統領候補者がオバマ氏にようやく固まりました。この選挙戦で使われたお金はテレビ放映料だけで両陣営併せて208億円とか。民主主義とはお金がかかるものですね。この戦いでオバマ氏は「チェンジ」をキーワードにこの半年近い選挙戦を戦いました。
 しかしこの「チェンジ」の前に大きくチェンジしたのは、エネルギーや食料価格であり、自分の生活も変えざるを得なくなってきています。電気代を抑えるために電球を変えたり、燃費の良い車を検討したり、物を買うときの基準や、今までの考えをチェンジする必要に迫られています。
 塩ビもこの流れに乗れるのではと考えている次第です。(可) 

VEC関連URL
●家族で学べるページ https://www.vec.gr.jp/kids_new/index.html
●塩化ビニル環境対策協議会 http://www.pvc.or.jp/
●樹脂サイディング普及促進委員会 http://www.psiding.jp/
●樹脂サッシ普及促進委員会 http://www.jmado.jp/
●メールマガジンバックナンバー https://www.vec.gr.jp/mag/index.html

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