NO.154
発行年月日:2007/11/22

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トピックス
◇温暖化対応:事務局のひとりごと
(社)日本化学工業協会 常務理事 中田三郎

随想

エリトリア旅行記(2・前編)−前向き−

(社)日本化学工業協会 若林康夫

お知らせ
【NEW】エコプロダクツ 2007 出展案内

編集後記

トピックス
◇温暖化対応:事務局のひとりごと
(社)日本化学工業協会 常務理事 中田三郎

 「化学産業は大幅なCO削減目標を新しく発表した」との、新聞報道がひとり歩きしていますが、謙虚に、今までの活動を引続いて推進していくことが大切と認識しております。
 自主行動活動の集計・目標見直しの時期が、ちょうど、ドイツのハイリゲンダムのサミットと重なり、会員企業から温暖化対応の議論を前向きにやるという雰囲気がありました。二ヶ月の間に、温暖化対応WGは無論、上部組織の幹事会を2回、技術委員会を2回開催し、毎週、委員長と相談を重ね、会長にも数度ご報告し、まさに、最優先事項でした。
 目標見直しの議論の当初は、前向きな意見が多数ある中で、「守れなかった時のペナルティー」を意識し、「実績値(82)と従来の目標値(90)の間に新目標を設定すべき」の声もありましたが、「出来ないことを掲げてはいけないが、既に達成した実績値より緩い目標は、社会が許容しない」、との声が優勢となり、その後の幹事会、技術委員会での議論が進みました。
 最終的には、「2008〜2012」年度の平均として、エネルギー原単位を1990年の80%にするよう努力する。ただし、今後の原単位悪化要因が顕在化した場合には、87%程度になり得る」という表現になりました。

 未だに、元の目標(90)に向かって活動を推進している企業が多数あり、「目標を引上げられては迷惑だ」、との声もありますが、各社が今までどおりの活動を順調に推進すれば、日化協平均として(80)が達成可能としているわけで、参加企業200社の目標すべてを(80)にするわけではありません。
 「新目標が守れなかったら、ペナルティーを考えているのか?」と聞かれることがありますが、既に、元の目標を5年連続で達成し、上積みした新しい努力目標にペナルティーがあるとは認識しておりません。
 新目標には、新しく、家庭部門や業務部門での省エネ活動も含まれております。
 国内、国外の省エネ技術を必要としている企業を対象とした省エネ技術集も中国語、英語、日本語で作成し、11月から提供を開始しております。
 今後は、鉄鋼業界やセメント業界のように、国際的な連携の中での活動も増えてくるようです。
 今後も精一杯頑張っていきますので事務局へのご支援をよろしくお願いします。(了)

随想
エリトリア旅行記(2・前編)−前向き−
(社)日本化学工業協会 若林康夫

 エリトリアは1993年、30年もの独立戦争を経てエチオピアから独立したアフリカで一番若い国です。
 首都:アスマラ(標高2,347mで空気がちょっと薄いです)
 面積:124,320平方キロメートル(日本の四国と北海道を合わせたほどです)
 人口:460万人
 平均寿命:男性51歳、女性55歳
 GNP:180ドル(一人当たり)
 平均月収の統計はないのですが、いま滞在しているホテルのレセプションの人(大卒)の月収が40ドル程度ということです。

 エリトリアは紅海に面し、エチオピア領だったときはエチオピア唯一の港町としても栄えていました。また、お隣のジブチやスーダンもこの港を利用していました。独立したエリトリアは、この港を利用し、シンガポールやアラブ首長国連邦のドバイのように関税と中継貿易による発展を目標としています。
 ところが面白くないのはエチオピア。これまでは自国の港だったので関税はありませんでしたが、エリトリアが独立してからは関税を支払わなくてはいけません。もちろん、ジブチやスーダンから支払われていた関税も入ってこなくなります。これが30年もの長きに渡る独立戦争の大きな理由です。
 いまでもエチオピアとの国境は閉鎖。さらにジブチやスーダンにも関税の引き上げを要求したため、どちらかというとエチオピア政府寄りの両国も国境を閉鎖。現在、陸路でエリトリアに入国することはできません。それどころか、エチオピアはスーダンと一緒にいまでも軍事進攻を行い、エリトリアの奪還を試みています。このため、エリトリアと隣の3カ国との国境は幅25Kmの非武装地帯(DMZ)に指定され、国連軍の監視下にあります。

 エリトリア国内では上記のような隣国との緊張状態にあることと、失業対策事業の役割もあり、男女とも国民皆兵。兵役(National Service)があります。軍隊では軍事訓練だけでなく、愛国心と退役後の生活のため、高等教育や職業訓練・指導も行われており、どちらかというと戦うためというより、将来に向けての国作りに力を入れています。
 エリトリアは選挙による大統領制なので、カリスマ的な指導者という人はいませんが、複合民族国家としては比較的よくまとまっています。但し、選挙による大統領制をとっているとはいっても、独立以降、ずっと同じ大統領(イサイアス・アフェウェルキ大統領)が就任し、新しい国の体制作りを行っています。
 エリトリアは主な民族だけも、Tigrinya、Tigre、Saho、Afar、Hedareb、Bilen、Kanama、Nara、Rashaida、などの人々がおり、これ以外に、1900年代半ば、イタリアが統治をまかされていた時代があり、イタリア人やイタリア系エリトリア人もいます。
 宗教もいろいろ。キリスト教、原始キリスト教、イスラム教、ギリシャ正教、ユダヤ教、などの教会が首都のアスマラにはひしめき合っています。この中で教徒が多いのはキリスト教、原始キリスト教、イスラム教です。それぞれ、若干時間がずれますが、お祈りの時間になると世界の主要宗教の祈りの声がサラウンドで楽しめます。

 エリトリアは貿易で自主独立を達成するという大きな国家目標があるため、世界各国からの援助を基本的には“拒否”をしている国でもあります。国連と政府間の直接援助などを行っているごく少数の援助機関を除き、エリトリア国内で活動することは原則として認められていません。援助もなく、まだ貿易国として成功しているわけでもないエリトリアの国内はさぞかし荒れているだろうと思われるかもしれませんが、これまでに訪問したアフリカ諸国の中では一番きれいな国です。安倍前総理の言葉でいえば「美しい国」です。
 まず、街の中が非常にきれい。これは民族性によるものでしょう。エリトリアの中で一番多いTigrinya族とTigre族の人たちはお掃除好きの民族としても知られています。掃除をしているところをみても、街路樹の根元から花壇や生け垣の中まで、徹底的に掃除をします。もちろん、ゴミや煙草の吸い殻のポイ捨てなどはありません。でも、街の中にゴミ箱もほとんどありません。そう、自分のゴミは、煙草の吸い殻でも持ち帰るのが基本です。喫煙人口も非常に少ないんですけどね。

 犯罪発生率も非常に低い。これは国民皆兵も関係しているといわれていますが、兵役中に受ける教育プログラムの中で犯罪は悪であること、犯罪を見つけたら(見かけたら)すぐに通報や犯人を逮捕するよう徹底的に教え込まれるそうです。最近では、首都のアスマラで一部、スリやひったくり犯が出るという情報もありますが、それでもアフリカの中では一番安全な国であるといわれています。
 生活面ではスラム街のようなエリアも確かにあります。昨日、そのようなエリアを訪問しましたが、他国のように「どうせ私たちは落ちこぼれ」「仕事がないのだから仕方がない」というような考え方をしている人はほとんどおらず、「いまの生活はこのような水準だが、働けばよくなる」「探せば仕事はある」と非常に前向きな考え方をしているのが印象的でした。(続く)

前回のエリトリア旅行記(1)−なだれ− は、下記からご覧頂けます。
https://www.vec.gr.jp/mag/152/index.html#zuisou

お知らせ

【NEW】エコプロダクツ 2007 出展案内

 『ダイエットCO2』を掲げる、「エコプロダクツ2007」が下記の要領にて開催されます。
 塩ビ工業・環境協会と塩化ビニル環境対策協議会は、『もっと知ろう!塩ビと地球環境』をテーマとして2年ぶりに出展し、塩ビが地球に優しいプラスチックであることを、製品展示、解説パネル、ステージ・デモでご紹介します。

・日 時: 2007年12月13日(木)〜15日(土)
10:00〜17:00
  ・場 所: 東京ビッグサイト(東展示場)
(VECブース:東3ホールNo.3035)
・主 催: (社)産業環境管理協会、日本経済新聞社
・入場料: 無料
・エコプロダクツ2007のホームページをご覧下さい。
http://www.eco-pro.com/


編集後記
 週末の楽しみは、実は、テレビで様々なスポーツを見ることです。ここ数週間は、フィギュアスケートのグランプリシリーズですね。浅田真央選手がファイナル出場を決めました。トリプルアクセルの失敗は残念でしたが、その他はミスもなく見事な勝利で良かったですね。まだ、安藤美姫、中野友加里、村主章枝がもう1戦ずつ残しているので楽しみです。
 東京国際女子マラソンの野口みずき選手優勝、女子ゴルフの上田桃子選手の賞金女王獲得、女子ダブルスバドミントンのオグシオペア25年ぶり4連覇、とスポーツ番組を「はしご」し、大満足です。
 因みに、NHK杯将棋トーナメントは、木村八段に橋本七段が挑み、解説者も感心する手が出る熱戦で、最後は木村八段が詰めを凌いで勝利しました。(これもスポーツ?)
 こんな感じでテレビばかり見て、掃除は慌てて済ましているので、きれい好きのエリトリアの方に呆れられそうです。(漠)

VEC関連URL
●家族で学べるページ https://www.vec.gr.jp/kids_new/index.html
●塩化ビニル環境対策協議会 http://www.pvc.or.jp/
●樹脂サイディング普及促進委員会 http://www.psiding.jp/
●樹脂サッシ普及促進委員会 http://www.jmado.jp/
●メールマガジンバックナンバー https://www.vec.gr.jp/mag/index.html

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◆編集責任者 事務局長  東 幸次

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