NO.150
発行年月日:2007/10/25

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トピックス
◇これからのリフォーム − 外装材と窓枠 −

随想

窓の断熱化が温暖化対策の決めて

塩ビ工業・環境協会 専務理事 関 成孝

お知らせ
【NEW】これからの快適な住まい作りセミナー・松本セミナーのご案内
日経住まいのリフォーム博 2007 出展 &
     第5回「住まいと環境・エネルギーセミナー」開催案内
今問題になっている内容のセミナー In 熊本 のご案内

編集後記

トピックス
◇これからのリフォーム − 外装材と窓枠 −

 この夏、東京近郊のM市でリフォーム業を営まれているS社長のお宅に伺った。
 場所は緑に囲まれた閑静な住宅地。自宅用に戸建中古物件を購入し、リフォームと増築を行いこの春に引っ越してきたとのこと。嬉しいことに長年商売で扱ってきて良いものだということが分かっていたので外装材は迷わず塩ビサイディングを採用、そして窓についても「断熱性能が非常に高いと以前から聞いており、今後商売でも推薦していきたいと考えていたので自宅で採用しその性能を自分で確かめたかった」とのことで塩ビサッシを採用したとのこと。
 北海道では塩ビサッシは当たり前、塩ビサイディングが普及し始めたこともあり塩ビサイディング、塩ビサッシ採用のお宅も珍しくないが、東京近郊ではまだ少数。

 外観は2色の縦張り、横張り塩ビサイディングでアクセントをつけ、窓を多くし明るいお宅にしたかったとのことで、随所に大小様々な塩ビサッシが取り付けられている。緑に囲まれた中でカラフルな塩ビサイディングに白い枠の塩ビサッシが良くマッチしている。
 また、家全体の断熱性能を高めるため開口部は従来のアルミサッシを枠ごとはずし開口部の拡張、補強工事を行い大きな塩ビサッシに変更。更に壁、床、天井に断熱材を充填と今はやりの断熱改修を行っている。サッシについて素材は樹脂(塩ビ)と決めていたがデザインについては奥様からの強いご要望があり玄関脇の丸窓などの変わった形状の窓や、また、明かり取りに室内に塩ビサッシが使用されており、これは今までに見たことがない使われ方であった。

 一通り外観を拝見したのちお宅に上がりこみ話を伺った。
 S社長の塩ビサイディングとの出会いは10数年前。以来塩ビサイディングにより40棟余りのお宅のリフォームを行ってきているが、軽いし長持ちするし、メンテナンスは要らないしクレームも一件もないことから、外装材として非常に優れているとの評価。最近では都内の中古マンションの外装リフォームについても塩ビサイディングでやりたいとのお客様からのご要望もあるとのこと。

 都内は酷暑の一日だったが、ここS社長邸は緑に囲まれ窓を開け放てば心地よい風が通り抜けるためクーラーは不要、扇風機だけで過ごされている。確かに家の中を見渡してもクーラーは設置されていないし、話を伺っている最中も自然の風が通り抜けていく。また、暖房も断熱改修をして塩ビサッシを採用したので床暖房だけでその他の暖房機器は考えていないが、断熱効果がより実感できる冬が来るのを、楽しみにしているとのこと。
 「かなり大掛かりなリフォームと増築をしたのでそれなりの費用はかかったが、快適な住まいにすることができた。」と笑顔で最寄り駅までお送り頂いた。

 日本の住宅政策は少子高齢化を迎え大きく方向転換が図られようとしている。ストック住宅が4000万戸とも5000万戸とも言われており、これら住宅の質の向上や長寿命化が当面の課題と言われている。S社長宅は時代を先取りした良い例と言えるかもしれない。(了)

 開催中の「日経住まいのリフォーム博2007」で、塩ビサイディング・塩ビサッシをご体験いただけます。詳細はこちらから。

塩ビサイディング・塩ビサッシについての詳細は、こちらのHPからご覧頂けます。
塩ビ工業・環境協会:https://www.vec.gr.jp/main.html
樹脂サイディング普及促進委員会:http://www.psiding.jp/
樹脂サッシ普及促進委員会:http://www.jmado.jp/

随想
窓の断熱化が温暖化対策の決めて
塩ビ工業・環境協会 専務理事 関 成孝

 今年のノーベル平和賞が、ゴア氏とIPCCに贈られました。世にわかりやすく気候変動問題を説き、この問題への取り組みの土台を作ったことがその受賞の理由です。IPCCの受賞は、その第四次報告書作成作業に直接関わってきた小生にとって嬉しいニュースでした。

 IPCCの第四次報告書は、今年、三つの作業部会(それぞれ、気候変動についての科学的知見、温暖化の社会経済システムや生態系への影響と適応策、温暖化防止対策を扱っています。)で相次いでまとめられました。報告の内容は、第三次報告書の基調をほぼ踏襲しており、温暖化の可能性や影響についてはより断定的な書きぶりとなっています。
 第三次報告書作成時は、様々な側面で、気候変動をより大きな問題としようとするバイアスが働いているのではないかとの批判があったことを反省し、今回の報告書作成課程では、パチャウリIPCC議長は、異論を唱える者や産業界の専門家を積極的に関与させてきました。日本の産業界の専門家が、WG3の運輸部門を扱う章の調整役を務めるなど、日本からも多くの産業界の方々が、プロセスに関与してきました。今回の第四次報告書の政策的意味合いは、これまでの報告書よりも重いものとなっていると言えましょう。

 第四次報告書によれば、2030年には、世界の温暖化ガス排出はCO2換算で2000年の約40Gtから25〜90%増加すると予測されています。そして、その増分の2/3から3/4は途上国によるものです。他方、排出削減ポテンシャルは、CO2トンあたり50ドル以下の対策で15〜25Gtとされています。このうち、産業部門(鉄鋼、化学、セメント、製紙等。発電等のエネルギー供給産業は入っていない)で3.5Gt程度であり、その大半は途上国のものです。OECD諸国のポテンシャルは1Gtに及びません。しかし、住居、建物部門のポテンシャルは6Gt近くもあります。OECD諸国でも2Gtほどとされています。温暖化対策を進める上で、この部門での省エネが大きなインパクトを持つことを示しています。

 住居・建物部門の省エネの鍵を握るのは冷暖房効率の向上です。米国では住居・建物部門のエネルギー使用のおよそ5割が空調に使われます。ドイツでは、この比率は8割程度にまで高まります。日本は、他の先進国に比べればずっと省エネ型の生活をしていますが、それでも、3割程度を空調で消費しています。この空調の効率を上げる鍵を握るのが窓の断熱化です。日本では、住宅からの熱損失は、窓等開口部が冬場で58%、夏場が73%となっています。この開口部に樹脂(塩ビ)サッシの複合ガラスを導入することで、熱損失を1/3程度にまで削減することが可能です。結果として、日本全体では、炭酸ガス3500万t削減のポテンシャルがあると推計されています。これは、京都目標達成に必要な削減分の2割に相当する大きな量です。
 環境先進国を標榜するドイツでは、この樹脂サッシの導入比率はゆうに5割を超えています。米国は5割弱。お隣の中国は2割です。韓国では、昨年販売された窓枠の半分は塩ビ製でした。それに対して、日本ではまだ1割にも達していない様子です。

 樹脂サッシの導入のメリットは、省エネ(そしてCO2排出削減)に留まりません。結露を防止し、カビやダニの発生を抑える効果があるとされています。温熱環境が安定化するために、心臓発作や脳溢血などの発病を抑える効果も期待されています。また、建物の躯体の腐食を防止し長寿命化に寄与します。遮音性にも優れており、外への音の漏れ、或いは外部の音を1/60程度(35dB)に減らす効果があります。
 まだ、導入のコストが高めなのが難点ですが、国の補助金も用意されています。補助制度を有効に活用して、環境にも人にも優しい住環境を作っていただければと思う次第です。(了)

お知らせ

【NEW】これからの快適な住まい作りセミナー・松本セミナーのご案内

 樹脂サイディング普及促進委員会、樹脂サッシ普及促進委員会は、共同で下記のセミナーに参加し、塩ビサイディング、塩ビサッシの紹介を行います。

これからの快適な住まい作りセミナー・長野セミナー
     −無暖房住宅へ限りなく挑戦−

・日 時: 2007年11月8日(木)
13:00〜17:30(受付12:15〜)
  ・場 所: 渚カナデアンホール
・主 催: 信州大学工学部
エネルギー自立型環境調和住宅研究会
・後 援: (社)長野県建築士会松筑支部【CPD認定セミナー】
・参加費: 無料
・参加申込み締切り:11月2日(金)
(定員60名になり次第、締切らせて頂きます。)
※参加希望の方は下記までお問合わせ下さい。
   信州大学工学部 社会開発工学科
       建築コース 山下研究室
              電話:026(269)5360

日経住まいのリフォーム博 2007 出展 &
     第5回「住まいと環境・エネルギーセミナー」開催案内

 『家族みんなの「暮らしやすさ」を見つける4日間』をテーマに、「日経住まいのリフォーム博2007」が下記の要領にて開催されます。
 樹脂サッシ普及促進委員会、樹脂サイディング普及促進委員会にて出展致します。

・日 時: 2007年10月25日(木)〜28日(日)
10:00〜17:00(最終日のみ16:00まで)
  ・場 所: 東京ビッグサイト(東4ホール)
・主 催: 日本経済新聞社
・入場料: 無料
・日経住まいのリフォーム博2007のホームページをご覧下さい。
http://sumai.nikkei.co.jp/reform/reformhaku/

 この会場内にて、第5回「住まいと環境・エネルギーセミナー」を以下の要領で開催致します。

・日 時: 2007年10月27日(土)
 第1部 13:00〜
 第2部 14:00〜
  ・会 場: 「日経住まいとリフォーム博」
会場内特設ステージ
・参加費: 無料
・主 催: 塩ビ工業・環境協会
・セミナー内容
 第1部:「地球温暖化防止」と「窓とリフォームとの関係」
 第2部:「エコリフォームでSTOP!温暖化」

 第1部、第2部とも、終了後、ご参加いただいた方対象に、ニンテンドーDS.lite他、素敵な賞品が当たる抽選会を行います。
詳細はこちらをご覧下さい。
第5回 「住まいと環境・エネルギーセミナー」案内

今問題になっている内容のセミナー In 熊本 のご案内

 樹脂サイディング普及促進委員会と樹脂サッシ普及促進委員会は、共同で下記のセミナーに参加し、塩ビサイディング・塩ビサッシの紹介を行います。

・日 時: 2007年11月2日(金)
13:00〜17:00(受付開始12:30)
  ・場 所: 熊本市民会館 第5・6会議室
・主 催: 住まいづくり研究会
・後 援: (社)熊本県建築士会【CPD制度認定講習:4単位】
・参加費: 無料(定員:先着60名)
・参加申込み締切り:10月29日(月)
・お問い合わせ:住まいづくり研究会
  電話:092(871)2409

編集後記
 今回は、東京の紅葉の名所に関して一言。元々、関西在住が長く、紅葉の名所として有名な嵐山・嵯峨野を学生時代から何度か訪問し、秋の古都の情緒をタップリ味わいました。ところで、関東へ赴任して以来3年半(その内、東京へは1年半)ですが、紅葉狩りは今までに一度もありません。今秋は是非紅葉狩りしたいと思った切っ掛けは、9月中旬頃にTVで見た、日本で一番早いと言われている大雪山の紅葉の朱色・黄色と針葉樹の緑色の微妙な色彩のコントラストに感激したからです。早速、東京近郊の紅葉名所を調べてみた所、予想に反して(?)15ヶ所程もありました。今年は、都区内に絞って紅葉狩りと行こうか(六義園、小石川後楽園、向島百花園など)!
 今年の見頃は例年より遅く、11月下旬〜12月上旬だそうです。美しい紅葉には寒暖の差が必要ですが、地球温暖化に加え、ヒートアイランド現象の顕著な東京でホントニ美しい紅葉が楽しめるのか些か心配しています。(古鍋)

VEC関連URL
●家族で学べるページ https://www.vec.gr.jp/kids_new/index.html
●塩化ビニル環境対策協議会 http://www.pvc.or.jp/
●樹脂サイディング普及促進委員会 http://www.psiding.jp/
●樹脂サッシ普及促進委員会 http://www.jmado.jp/
●メールマガジンバックナンバー https://www.vec.gr.jp/mag/index.html

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