NEW VEC MAGAZINE Vol.12
発行年月日:2003/12/25



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コラム
「日本にとっての新住宅外装材」
大洋塩ビ(株) 佐々木 慎介
生活バンク・FPの部屋
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コラム
「日本にとっての新住宅外装材」
−塩ビサイディングの登場で住宅長寿命化へ貢献−
大洋塩ビ(株) 佐々木 慎介
 日本の住宅は、平均寿命が約30年と言われております。欧米(ドイツ、フランス、アメリカ、イギリス)の住宅寿命80年〜140年に比較して種々の事情があるとしても何と短いことでしょう。日本は、特に住宅の外壁における長寿命化対策が、他の箇所に比べて遅れているのではないでしょうか。
 家の外側を守る外装材すなわちサイディングの種類には、現在のシェア順にあげると、窯業系、金属系、モルタル系、タイル系、コンクリート系、木質系などがあります。大部分の外装材は、その表面を守るために、塗装が必要で継目にはシーリングを施す必要があります。これらが日本の住宅の短寿命に影響している一つであると思います。
 人間にとって健康な住まいづくりには、何が必要でしょうか。家の内部は、人間の健康にとっての最適な温熱環境が必要であり、家の外部は、家全体を守る外壁の最適化が必要だと思います。

 日本で使用する外壁材の歴史は、当初は勿論、木材から始まり、土塗り壁やモルタル壁などの湿式系へと変遷し、その後、乾式系の窯業系、金属系が主体となって、今日にいたっています。それぞれに長所があり、短所があります。最近使用されるサイディングは、前述の通り、塗装やシーリングが必要であり、いずれも寿命は、塗装で5〜10年、シーリングで3〜5年といわれており、外壁の寿命に大きく影響を与えていると思います。
 塩ビサイディングは、耐久性があるうえに、この塗装もシーリングも必要としないのです。塩ビサイディングの主な特徴は、「1.耐久性に優れており長寿命、2.雨仕舞がよく、壁内が乾きやすい、3.軽量で施工がしやすい、4.手間がかからずメンテナンスが容易、5.環境適合性に優れる」ことです。

 アメリカやカナダでは、塩ビ樹脂の特徴を生かした塩ビサイディングが約40年前から採用開始されており、アメリカにおける2000年の実績では、51%と圧倒的なシエアを占めています。現在では、住宅の長寿命化にも大きく寄与している理由の一つとなっています。
 日本は狭い国といっても、北から南まで細長く気候の変化が大きく、その地域に適した外装材の選択が必要です。塩ビサイディングは、日本が今まで使用してきたサイディングには持っていない長所があり、日本こそ適材適所に使用していくべき材料であると思います。例えば北海道地区は、これから厳しい冬を迎えますが、今年も塩ビサイディングを施工した家がたくさんあり、凍害の心配も全くないので施主さんはこの冬を安心して過ごせることでしょう。

 さて日本における塩ビサイディングの施工実績は、古くは、約20年前にさかのぼり、北海道室蘭地区で約10棟が施工されましたが、施工方法の指導不足などで1年足らずで撤退しています。しかしその後、5年前の1998年から塩ビ工業・環境協会が中心となって販売メーカー3社と共に樹脂サイディング懇話会を設立し、普及から販売までの一貫体制をベースに、本格的な普及活動を開始しました。毎年ほぼ倍々と増加し現在ではストック戸数が約4000戸と推定されております。

 私自身も塩ビサイディングを施工した家屋を100戸近くも見学調査していますが、一番嬉しいことは、塩ビサイディングを施工された多くの施主さんの声として「採用して良かった」との評価をいただける事です。近いうちに施主さんの声を特集としてまとめ、読者の皆様にお伝えする機会を考えたいと思っています。

 最近、家を長持ちさせようと考える施主さんが多くなり、外壁をリフォームすることが増えてきています。日本における外壁のリフォームは、年間約20万棟と推定されていますが、近いうちに塩ビサイディングがその一割近くに使用されることになるものと期待されています。

 塩ビサイディングの良さを理解した一人として、日本におけるサイディングの品揃えの一つに、塩ビサイディングが認知して頂ける機会を作る使命を痛感しております。
 最後に日本のどこかで樹脂サイディング懇話会計画のセミナーや展示会などでお目にかかれる日を楽しみにしております。

 (参考)樹脂サイディングのホームページ
      http://www.psiding.jp
生活バンク・FPの部屋

ファイナンシャルプランナ−(略FP)、長谷部和子
どうなる年金・どうする老後『これらに金融商品で対処できるか!』

2)安全性、国が発行する個人投資家向けの商品「個人向け国債」
今年3月10日に第1回債が発行された
最低購入単位 額面1万円以上
満  期 10年
金利タイプ 変動金利半年ごとに金利見直し(年2回利息)
利  率 10年固定利付国債の入札結果から算出する複利利回り
(基準金利)から0.8%を差し引いて決定
(引ききれない場合は、最低利率として0.05%が適用)
途中換金の際政府が額面で買い取る(価格変動リスク無)
◆2003年度以降は4月7月10月1月の毎年4回発行される。
◆初期利子と発行額(販売実績)の推移
1回債 (2003年3月発行)は年0.09%
2回債 (同4月) 0.05%
3回債 (同7月) 0.05%
4回債 (同10月) 0.77%

◆商品の注意点
(1) 一部の銀行等では月105円(年1260円)
の国債口座管理手数料がかかる場合がある。
(2) 発行後1年間は中途換金できない(本人死亡時は除く)
(3) 中途換金時の手数料・直近2回分の「課税前の利子相当額」
(4) 金利下降局面では受け取れる利子が減少する。

過去4回を見た限り、預貯金と比べても利率面では優位性がある。
国が支払いを約束しているため安全性が高い債券といえる。
将来金利上昇が予想される現在、変動金利タイプの商品性は有利。
読者便り
Q: 客先を説得する資料として、御社のホームページにあるように塩ビがダイオキシンの原因ではないと言うのですが、なかなか納得していただけません。
「塩素が入っていれば、ダイオキシンが燃やし方によっては出るでしょう?」といわれてしまいます。そこで、「他のものにも塩素が入っている」と言いたいのですが、濃度がわかりません。例えば、紙、木材、他のプラスチックに含まれる塩素量のデータとかはお持ちではないでしょうか?
(塩ビ樹脂製品メーカー Kさん)

A:

ご質問の、各材料ごとの塩素含有量のデータは余りありませんが、以下の測定例をご紹介します。塩素の主要ソースは厨芥ごみとプラスチックごみであることがわかります。

成分 ごみ重量 (kg) ごみ中の塩素量 (kg)
厨芥 349 4.3
296 1.1
33 0.4
93 0.3
プラスチック 122 4.3
ゴム・皮革 33 2.3
その他 74 0.4
合計 1000 kg 13.1 kg
(プラスチック処理促進協会報告書(昭和57年))

世界的にみれば、ダイオキシン問題への取り組みは、1980年代後半からいち早くドイツで始まりました。ダイオキシン類の主要な排出源として、欧州でも地方自治体のごみ焼却炉があげられたことから、ドイツ政府は、実態調査や塩ビ樹脂製品のダイオキシン類生成に及ぼす影響について、焼却炉による実験を繰り返し、その結果、以下のことがわかっています。
ごみに塩ビ樹脂製品を加えて塩素量を増やしても、排ガス中のダイオキシン類は殆ど増加しなかった。ダイオキシン類の生成量はきわめて微量で、これに必要な塩素はどこにでも存在しており、ごみに通常含まれる塩素量はこれに比べるとはるかに大過剰で存在するため、新たに塩素源を追加してもダイオキシン類生成に殆ど影響を及ぼさないこと。
いろんな種類のごみ(通常の家庭ごみ、塩ビ樹脂製品の少ないごみ、古紙、古紙+スクラップ、古紙+スクラップ+塩ビなど)を燃やした場合のダイオキシン類発生量に決定的な差は見られないこと。

我々業界でも、塩ビ樹脂製品だけがダイオキシン類の発生原因でないことを証明するため、焼却実験を行ない学会で発表しています。その結果、以下のことがわかっています。
ごみに混入することの多い粘土類の共存化では、食塩からも塩化素ガスが生成する。
ウスターソースのついた非塩ビ系のプラスチックフィルムや食塩が付着したグラビア紙でも、塩ビがある場合と同様、ダイオキシン類が発生する。

☆読者便りは、VECホームページのお問い合わせから構成されています。
 ご意見・ご質問をお待ちしております。

お知らせ
講演会
日 時 平成16年2月2日(月)
場 所

国際連合大学 国際会議場
講 演

1.

国際連合大学 副学長 安井 至 氏

「新しい環境問題の考え方」(仮題)

2.

読売新聞 編集局科学部次長 小出 重幸 氏

「メデイアからみた環境問題の扱い方」(仮題)

VEC関連URL
●VEC 塩ビジュニア https://www.vec.gr.jp/kids/index.html
●塩化ビニル環境対策協議会 http://www.pvc.or.jp/
●プラスチック・サイディング http://www.psiding.jp/
●樹脂サッシ普及促進委員会 http://www.jmado.jp/
●メールマガジンバックナンバー https://www.vec.gr.jp/mag/index.html

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塩ビ工業・環境協会

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