NO.113
発行年月日:2007/01/25

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トピックス
◇『PVCニュース』リニューアル
  全面カラー化、装丁を一新
JPEC事務局

随想
リサイクル推進委員会の活動と展望
リサイクル推進委員会 委員長 宮島正紀
お知らせ
【NEW】VEC HPを更新致しました。
【NEW】樹脂サッシ普及促進委員会から新しいパンフレットが発行されました。
ENEX2007 第31回地球環境とエネルギーの調和展 出展案内
【終了報告】大阪「日本主婦連合会」対象セミナー

編集後記

トピックス
◇『PVCニュース』リニューアル
全面カラー化、装丁を一新

JPEC事務局

 塩化ビニル環境対策協議会(略称JPEC)は、塩化ビニルの加工製品関連団体や原材料関連団体、その他関連団体で構成されています。
 JPECの事業の柱の1つとして、「塩化ビニル樹脂及び製品に関する正しい情報の提供と普及」があります。その中で、JPECの広報誌として、『PVCニュース』を季刊にて発行しています。平成4年3月に、JPECの前身である、当時の「塩化ビニルリサイクル推進協議会」から創刊され、この3月で創刊15年(60号)を迎えます。
PVCニュース
旧版(左)と新版(中、右)
 内容には、塩ビのリサイクル最新情報をお伝えする「トップニュース」、塩ビに関連するリサイクルに実際に取り組まれている現状をご紹介する「リサイクルの現場から」、塩ビの新しい用途や、あまり知られていない塩ビ製品をご紹介する「塩ビ最前線」、展示会・セミナーのレポートをお伝えする「広報だより」等があります。また、有識者の方にお話をおうかがいする「視点・有識者に聞く」のコーナーがあり、大学、消費者団体、行政等様々な方に幅広くご登場頂いています。
 今回のリニューアルでは、従来からのコーナーを踏襲しつつ、親しみやすい紙面作りを目指しました。レイアウトは行間を広げ読みやすくし、全面カラーとしました。2色では表現しきれなかった現場の様子やフロー図などを、わかりやすくお伝えできるようにしました。装丁は“中綴じ”から“むせん綴じ”(ホチキスを使わないでのりで接着する方法)に変更し、重量の軽減をはかっています。
 12月に発行した59号では、「トップニュース」に『環境省が内窓に塩ビサッシ』、『中越地震の塩ビ管リサイクル作業完了』。「視点・有識者に聞く」では、『サステナブル・ビルディングの最新動向』について慶應義塾大学・伊香賀俊治教授のお話。「リサイクルの現場から」では、『光和精鉱の廃棄物リサイクル事業』のご紹介。また、「インフォメーション」では、『積水ハウスが挑むサステナブル時代の住まい造り』をご紹介しています。
 塩化ビニル環境対策協議会の広報の顔として、皆様のご意見を真摯に受け止め発行していきますので、ご愛読よろしくお願い致します。

 『PVCニュース』はJPECのホームページから、最新号、バックナンバー共にご覧頂けます。
http://www.pvc.or.jp/
 購読を希望される方は、下記メールアドレスまで、送付先・TEL・希望部数などをご連絡下さい。
info@vec.gr.jp

随想
リサイクル推進委員会の活動と展望
リサイクル推進委員会 委員長 宮島正紀

新年明けましておめでとうございます。本年もよろしくご支援のほどお願い申し上げます。

 リサイクル推進委員会は塩ビ事業における「リサイクル事業の位置づけ」と「リサイクルの推進」を目的に昨年5月に組織され、各塩ビメーカーの理事が委員となっております。
リサイクル事業のあり方と実情の検討、塩ビ加工団体とのミーティングを行ってきました。

今私たちは次のように考えております。
工業塩の巨大な山
VEC発行のリサイクル関連パンフレット
1. 塩ビ樹脂は無尽蔵の塩を一つの原料としております。(約4割が 石油原料、残り約6割が塩です。)昨今、石油価格が上がり、色々なプラスチック価格も上昇してきましたが、塩ビ価格は他の樹脂に比べ上昇幅は小さくなっております。これは石油原料比率が低いためであり、塩ビ樹脂が機能的に劣るということではありません。塩ビは原料からして省資源ということです。また、塩ビは長寿命の製品を作ることができます。例えば、塩ビのパイプでも、50年前に敷設されたパイプを掘り出して物理特性を調べてもまったく変化していなかったとの報告もあります。耐用年数が長いということはこれも省資源です。ライフサイクル分析(LCA)という手法で製品が生まれてから破棄されるまでのエネルギー消費量と環境負荷量を製品ごとに比較検討する学問が成熟してきておりますが、この中でも塩ビは優等生です。さらに、他のプラスチックに比べ塩ビはリサイクルが容易な製品です。電線被覆の塩ビや農業用ビニルハウスの塩ビは途上国でサンダルなどに加工されて再使用されています。ほかにも多くの特色があります。
例えば断熱性と加工性の良さです。長寿命で断熱性を持ちますので、窓のサッシには最適なのです。

 塩ビは今までダイオキシン問題、環境ホルモン問題などの批判を受け、これら批判が科学的に根拠のない風説でしかないことを懸命にPRしてきました。これらの努力もありこの面での塩ビ忌避はかなり少なくなってきました。

 中国、インドなど多くの途上国の経済発展が加速化してくる中で、石油需要が急速に増加して、石油資源は一体あと何年分あるのかということ(オイル・ピーク論)が議論されるようになりました。塩ビは省資源の材料であるということ、塩ビは現在懸念されている地球温暖化防止に最も貢献できるプラスチック材料であること、このような事実が十分消費者にご理解いただけていなかったとすれば、私達塩ビメーカーとして誠に残念なことです。

 私達の今年の課題のひとつは、消費者の方々に「塩ビは省資源のプラスチックであり、温暖化防止に貢献していることをご理解していただく活動を進める」ことです。本年は、上記述べてきましたことを「塩ビと私たちの生活−業界の主張」として取りまとめ、対外的にPR活動を進めます。

2. このように優れた樹脂であり、有用であることをご理解いただくためには、さらにリサイクル出来る「道筋」を示してゆくことが重要と考えております。塩ビは、組成からして本来リサイクルが容易なプラスチックですが、用途が広いこと、塩ビ製品に含まれる塩ビの含有率と添加物が用途によってかなり異なることでリサイクルの難しさもあります。例えば、塩ビパイプや窓枠では95%以上が塩ビで残りは添加物です。しかし壁紙では約30%が塩ビで残りは安価な炭酸カルシウムなどの添加物です。(炭酸カルシウムは石灰石の多い日本ではほぼ無尽蔵の材料です。他の材料と混合出来ることも塩ビの特徴の一つで、これにより製品価格を安価に保つことができるとともに、製品に独特の意匠性を与えることができます。)

 このような塩ビ製品の性格から、塩ビ製品は一括したリサイクルには向いておりません。製品用途ごとに、各々の製品の加工団体とともにリサイクル方法を確立してゆく必要があります。例えば、壁紙は日本壁装協会が、塩ビパイプは塩化ビニル管・継手協会が、使用済み製品の収集方法と、独自のリサイクル方法を確立しております。塩ビを材料としてご使用いただいている産業界の方々に安心して継続使用して頂けるよう、塩ビ製品ごとに現在確立されている収集方法とリサイクル手法を明らかにし、「塩ビはリサイクル出来る」ことをお示ししたいと考えております。

 ご存知のように、リサイクルにはマテリアル・リサイクル(その製品をそのまま他の製品に作り変える)、フィードストック・リサイクル(原料に戻して再使用する)、サーマル・リサイクル(熱に変えて、エネルギーとして回収する)があります。
 塩ビの含有率と塩ビ以外の添加物を考慮して、一番適したリサイクル手法を選択することが合理的です。

 塩ビ業界として本年夏までに「リサイクル・ビジョン」をまとめ公表いたします。塩ビを燃やすと塩化水素ガスが発生し焼却炉を傷めることを懸念する人がいますが、塩ビを焼却できるサーマル・リサイクル炉が既に日本中で多く建設されていることも、このビジョンの中で示してゆきます。

お知らせ
【NEW】 VEC HPを更新致しました。

「塩ビニュースレター」Vol.4(1月10日発行)を掲載しました。

Vol.4は、「塩ビサッシ」に注目しました。
全文は、こちらからご覧頂けます。
https://www.vec.gr.jp/news_letter/index.html


【NEW】 樹脂サッシ普及促進委員会から新しいパンフレットが発行されました。

『快適窓学−最新情報編(1)』と題するパンフレットが発行されました。
塩ビサッシの高断熱性・高気密性が浸透し、様々な所で評価・採用されている実例を、豊富な写真で分かりやすくお伝え致します。

case 1.環境省庁舎ビルに採用。
case 2.マンション環境性能表示制度でオール三ツ星を獲得。
case 3.総戸数1,095戸の芝浦に建つタワーマンションに採用される。

ご希望の方は、樹脂サッシ普及促進委員会のHPの資料請求よりお申込み下さい。(こちらのアドレスです。)
http://www.jmado.jp/katalog.html

ENEX2007 第31回地球環境とエネルギーの調和展 出展案内

[東京会場]
 ・日 時:2007年1月31日(水)〜2月2日(金)
      10:00〜17:00
 ・場 所:東京ビッグサイト(西3、4ホール)
       東京都江東区有明3−21−1

[大阪会場]
 ・日 時:2007年2月22日(木)〜2月24日(土)
      10:00〜17:00
 ・場 所:インテックス大阪2号館
       大阪市住之江区南港北1−5−102

 ・目 的:1.省エネルギー・新エネルギーの最新技術の紹介と、
        導入促進・機器普及のための最新情報や導入事例情報の提供
      2.生活者に対する省エネルギー意識の醸成と実践行動の動機付け
 ・主 催:財団法人 省エネルギーセンター
 ・入場料:無料
 ・プラスチックサッシ工業会に協力し、樹脂サッシ普及促進委員会
  にて出展致します。
 ・ENEX2007 ホームページをご覧下さい。
http://www.enex.info/

【終了報告】 大阪「日本主婦連合会」対象セミナー

 近畿地区で塩ビサッシと塩ビサイディングの知名度・認知度を広め、塩ビ樹脂の良さを理解して頂くため、「日本主婦連合会」の会員(約50名)を対象として、以下の通り「第2回日本主婦連合会」対象セミナーを開催しました。

開催日時:2007年1月18日(木) 14:00〜16:20
場  所:ATCグリーンエコプラザ内セミナー会場
主  催:「日本主婦連合会」/「塩ビ工業・環境協会」共催

セミナー風景
常設展示場見学の様子
 当日は、まず主賓として日本主婦連合会の東瀬会長からご挨拶を頂き、塩ビ樹脂・塩ビサッシ及び塩ビサイディングの良さを力説されました。
 続いてセミナーに入り、「シックハウスを考える会」の上原理事長からは基調講演として住まいで起こる3つの病気についてお話がありました。
 第1は、シックハウス症候群。ホルムアルデヒドに代表される化学物質や粒子状物質が、喘息・アトピー皮膚炎等の健康障害の原因となっています。(室内外の温度差によって発生する窓の結露を放置しておくと、そこにカビやダニが発生します。そのカビの胞子やダニの死骸が粒子状物質の一部となって空気中に浮遊し、室内空気を汚染します。)
 第2は、コールドドラフトによる貧血・冷え性。窓辺で冷やされた空気が暖房によって下降気流となり、床近くの温度が10℃に対し、天井付近は20〜23℃と大きな温度差ができ、身体的に悪影響を及ぼします。
 第3は、ヒートショックでの脳溢血による死亡率の増大。暖かい居間と寒いトイレ、脱衣所と浴室・浴槽などといった、温度差のある場所の移動により、血管が伸縮して、血圧が急変動したり、脈拍が速くなる事により起こります。
 これら3つの病気の原因となっている、温度差が発生する大きな要因として住まいの断熱不足が挙げられます。これらの病気を防ぐために壁や開口部の断熱強化を行ない、各室内の温度を一定にするバリアフリー化が重要であると力説されました。皆さん、非常に興味をもって聞き入られて、なかには熱心に筆記されている人もいました。
 続いて、樹脂サッシ普及促進委員会から塩ビサッシの講演。次に、樹脂サイディング普及促進委員会から塩ビサイディングの講演がありました。
 その後、ATC内にある常設展示場をご覧頂きました。「軽量で耐久性が有り、再塗装の必要がない外装材(塩ビサイディング)が有ること自体知らなかった」、「窓が結露して大変で何か良い方法はないか考えていた」、「是非、断熱性の良い塩ビサッシを使って見たい」、「NEDOの補助金制度があること自体知らなかった」など様々な質問・意見が出て予定時間をオーバーする程、大盛況でした。
 皆さんには、樹脂サッシ・サイディングをあまり知られていませんでしたが、セミナーを聞かれ又展示ブースを御覧になられて、興味を持たれ、非常に盛り上がったセミナーでした。

編集後記
 今週の随想が触れていますが、エンドユーザーや消費者に塩ビの良さをどう分かっていただくか、どんなリサイクルプログラムを提案できるのか、悩ましくもあり楽しくもありというのが、交流して得た感覚です。
 安くて役に立ち目を和ませ、資源の節減とリサイクルもできる低負荷の製品、一言で言えば環境効率の高い製品が時代の要請ですので、これまで塩ビ製品一般の省資源・長寿命を原理的に説明してきました。しかし例えば20以上はある塩ビ建材のひとつひとつのお役立ちとコスト(消費者利益)、CO排出量や省資源・省エネルギーといった環境特性を、具体的な数字で示せばもっと普及するはずです。グリーン調達、エコマークなどの環境ラベル等に、排水管や床材料以外のもっと多くの塩ビ製品が対応していければと思う最近です。(加地)

VEC関連URL
●VEC 塩ビジュニア https://www.vec.gr.jp/kids/index.html
●塩化ビニル環境対策協議会 http://www.pvc.or.jp/
●樹脂サイディング普及促進委員会 http://www.psiding.jp/
●樹脂サッシ普及促進委員会 http://www.jmado.jp/
●メールマガジンバックナンバー https://www.vec.gr.jp/mag/index.html

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◆編集責任者 事務局長  東 幸次

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