NO.111
発行年月日:2007/01/11

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年頭挨拶
塩ビ工業・環境協会 会長 土屋隆

年頭所感
1857年、1907年、1957年、そして2007年
塩ビ工業・環境協会 専務理事 西出徹雄
お知らせ
【NEW】ENEX2007 第31回地球環境とエネルギーの調和展 出展案内

編集後記

年頭挨拶

塩ビ工業・環境協会 会長 土屋隆

 新年明けましておめでとうございます。
 本日はご多用中にも拘りませず、当協会の賀詞交歓会に、経済産業省製造産業局の照井次長を始めとしまして、多数ご来臨いただき誠にありがとうございます。
 この一年が、当協会並びに協会会員各社にとって、そしてここにご臨席いただいた皆々様にとってすばらしい一年になることを心からお祈りするものでございます。
 新年に当りまして、本年の展望・抱負などについて所感を述べさせていただきたいと存じます。

 昨年5月末に会長を拝命し、その時に4つの重点課題を掲げさせていただきました。

 まず第一は、リサイクルへの取り組みでございます。
塩ビはリサイクルしにくいと言われていますが、昨年は、ビニループ・プラントが稼動し、さらにセメント会社のいくつかも塩ビのリサイクルに取り組んでいます。
 また、建設廃材のサーマルリサイクルを商業規模でテストさせていただき、良い結果を収めることができました。
 このように、最近数年間でいろいろなリサイクルが実用化され、様々なリサイクルメニューが用意されてきました。
 これらをベースに、塩ビ加工会社の皆様と構成している塩化ビニル環境対策協議会・JPECと共に、「リサイクルビジョン」を取りまとめ、ユーザーの皆様に有効にPRして参りたいと存じます。

 第二は、新市場の拡大への取り組みでございます。
 サッシ、サイディングを中心とした建材分野での取り組みですが、各地での展示会やセミナーなどで、その有用性について説明するなど、地道な努力を続けてまいりました。
 これらの努力が実を結び、昨年10月に環境省の本庁舎に塩ビサッシの内窓が採用される運びとなりました。塩ビ業界は環境面からのバッシングにより、これまで苦難の道を歩んで参りましたが、環境を司る環境省において塩ビサッシが採用されたということは実に画期的な出来事でございます。
 今後、冷暖房の省エネルギーに格段に優れた塩ビサッシの普及に大きな弾みがつくものと期待しているところでございます。

 第三は、塩ビ忌避に対する継続的な対応でございます。
 今年1月8日の日本経済新聞のトップに、「EU化学物質規制に先手」のヘッドラインで、一部の医療、電機メーカーなどがEUの化学物質規制に先手を打って、RoHS指令で製品への含有が規制されている水銀やカドミウムなどの六物質を自主的に排除する動きがあることを報じていました。
 今後REACH規制などで、化学メーカーとして化学品の安全性に関するアカウンタビリティーの重要性を認識するとともに、VECの初代の金川会長の頃は、この六物質に塩ビを並べていた会社もあったことなどを思い出しました。
 初代の金川さんを始め当協会歴代会長のご指導のもと、塩ビ産業界の適切な情報発信により、表立った忌避は影を潜めましたが、しかし、依然として塩ビを使用しないことが進歩的ないしは先進的であるかの如き漠然としたムードが漂流していることも残念ながら事実でございます。
 しかし、的確な情報の発信により、国土交通省の建築設備設計基準やユーザー企業のガイドラインが修正されつつあるなど、大きな成果を上げつつあります。

 第四は、これら3つの課題に効率的に対応するために関連諸団体との連帯を強化することでございます。
 例えば、アジア太平洋地区の塩ビネットワークであるAPVNの事務局を当協会が引き受けることになりました。
 年々、活動が活発になってまいりましたが、アジアでの業界活動をより積極的に推進して参りたいと考えています。

 最後に、当業界は、ここ数年設備削減や価格後決め方式の是正などの構造改革により、事業体質の強化に取り組んでまいりました。しかし、昨年を振り返りますと、内需につきましては、年前半こそ順調に推移しましたが、7月以降需要が落ち込み、年間では前年比3%減の136万トンに止まった模様であります。また、原燃料価格の高騰を受け、新価格体系の形成についてお客様の御理解を得ながら進めてまいりましたが、依然として収益的には厳しい状況にあります。

 落ち込んだ需要を回復し、内需の反転を図るために、今年は、よりポジティブに、よりチャレンジングに塩ビの有用性をアピールして参りたいと存じます。
 塩ビの原料の6割は無尽蔵の塩であり、原油価格の高騰により他のプラスチックとの価格差は一段と拡大し、その価格優位性は歴然としたものがあります。
 又、塩ビは耐久性に優れ、ライフサイクルが長く、省資源の時流に最もかなう樹脂でございます。
 これらのことを、今まで以上に、積極的に訴えて参りたいと存じます。

 縷々申しあげてまいりましたが、当協会がこのように活動できますのも、ひとえに本日ご参集の方々、すなわち経済産業省や環境省、国土交通省をはじめとする関係行政府の方々、JPECに代表されます関連業界の皆様、塩ビをご愛用いただいているユーザー業界の皆様、商社や流通部門、マスコミや消費者の皆様の暖かいご理解ご支援の賜物でございます。
 この場を借りてお礼を申し上げますとともに、本年も引続きよろしくお願い申し上げます。

 最後になりましたが、本日ご列席の各社のますますの発展と、ご臨席の皆様の今年のご健康ご多幸を改めて祈念いたしまして、新年のご挨拶とさせていただきます。
 ご清聴ありがとうございました。

(1月11日開催のVEC賀詞交歓会での、会長年頭挨拶を掲載致しました。)

年頭所感
1857年、1907年、1957年、そして2007年
塩ビ工業・環境協会 専務理事 西出徹雄

 皆様、新しい年を清々しい気持ちでお迎えのことと思います。年の初めにあたり新しい年に対して様々な希望や願いを寄せられたのではないかと思いますが、この何年か、年の初めには50年、100年、150年前を振り返ってみることにしていますので、今年も近代日本の歴史を追ってみようと思います。

 150年前の1857年(安政4年)は、3年前に調印された日米和親条約の批准書が交換され、前年に来日したハリスが翌58年の日米修好通商条約締結に向けての動きを加速させた年です。日蘭、日露の追加条約が結ばれ通商関係が広がるのに対応して、幕府は蕃書調所を開設、また築地講武所に軍艦教授所を設置し、海外との関係が深まるのに文武両面での対応を急ぎます。長崎では司馬遼太郎の小説『胡蝶の夢』に描かれたポンペによる松本良順への西洋医学の講義が始まっています。目を海外に転じると、インドではセポイの乱が起こり、デリーを英国軍に占領されたムガール帝国が滅亡。パスツールがアルコール発酵、乳酸発酵を発見したのもこの年です。

 100年前の1907年(明治40年)は、日露戦争のあと西園寺内閣の下で大陸への進出と工業化が進みます。日清紡績、旭硝子、日本製鋼所、豊田式織機などの会社が設立され(ということはこれらの会社は今年が100周年)、電力の高圧遠距離送電が始まっています(東京電燈が山梨の駒橋水力発電所から東京へ5万5000ボルトで80kmの送電)。ただし、この年の電球生産はようやく百万個の大台(105万8千個)に乗ったばかりです。警視庁は防火の観点から長屋の構造を規制し、一般家屋にも屋根に瓦などの不燃物の使用を命令。スポーツの世界では、初の海外野球チーム(ハワイのセントルイス野球団)が来日して慶応と対戦、初めて野球入場料が徴収されました。ニュージーランドが英国の自治領になったのもこの年です。

 50年前の1957年(昭和32年)は、石橋内閣から岸内閣へ交代し、経済の高度成長の前の時代で、国内インフラ整備と産業振興の法律が次々に制定されています。合成ゴム製造事業特別措置法、電子工業振興臨時措置法、国土開発縦貫自動車道建設法、高速自動車国道法などですが、インフラとしての電力関係では原子炉導入が原子力委員会で議論され英国からの動力炉の早期輸入を決定、原子力研究所ではJRR−1原子炉に火がともりました。原子力平和利用の動きの一方で、東西の緊張が続き英国もクリスマス島で水爆実験を始める中、核兵器開発反対の科学者たちの動きがパグウォッシュ会議の宣言などになっています。国内でNHKのFM放送が始まり、カラーテレビ実験局(NHKと日本テレビ)が開設され、糸川博士らによりカッパーC型ロケットが秋田海岸で発射成功。海外ではソ連のスプートニク1号が初の人工衛星として地球を回り始めました(米国のエクスプローラー1号は翌年1月)。EEC(欧州経済共同市場)とユーラトム(原子力共同体)の両条約が仏・西独・伊・ベネルクス3国で調印され、翌年1月から発足しています。今年はEUの化学物質管理の新しい制度であるREACHがスタートしますが、欧州統合の歴史がEECの形で動き出してから丁度50年目になります。現在の日本は戦後最長の景気拡大とのことですが、1957年の日本の経済成長率は下期からなべ底不況といいながらも名目15.1%、実質9.9%でした。

 そして2007年、今年は一体どのような年になるのでしょうか。マクロの景気は緩やかな拡大基調を続けるのでしょうが、ミクロの動きでは、あらゆる側面でイノベーションを引き続き進めることの可否が、良い成果を上げられるかどうかに大きく関わってくるのではないでしょうか。私たち塩ビ産業にとりましては、ユーザー産業や消費者の理解を得ることが益々重要となっていますし、グローバル化が一段と進む中で関係国との連携の強化が不可欠になっています。消費者や行政との対話も更に深めながら、サステイナブルな材料としての塩ビを広く知っていただけるように情報発信を行うとともに、サステイナブルな社会を支える塩ビ産業の確立に向け、本年も努力を続けてまいりたいと考えております。これまでにも増して、皆様のご支援ご協力を宜しくお願いいたします。

お知らせ
【NEW】 ENEX2007 第31回地球環境とエネルギーの調和展 出展案内

[東京会場]
 ・日 時:2007年1月31日(水)〜2月2日(金)
      10:00〜17:00
 ・場 所:東京ビッグサイト(西3、4ホール)
       東京都江東区有明3−21−1

[大阪会場]
 ・日 時:2007年2月22日(木)〜2月24日(土)
      10:00〜17:00
 ・場 所:インテックス大阪2号館
       大阪市住之江区南港北1−5−102

 ・目 的:1.省エネルギー・新エネルギーの最新技術の紹介と、
        導入促進・機器普及のための最新情報や導入事例情報の提供
      2.生活者に対する省エネルギー意識の醸成と実践行動の動機付け
 ・主 催:財団法人 省エネルギーセンター
 ・入場料:無料
 ・プラスチックサッシ工業会に協力し、樹脂サッシ普及促進委員会
  にて出展致します。
 ・ENEX2007 ホームページをご覧下さい。
http://www.enex.info/

編集後記
 あけましておめでとうございます。既に11日となり松の内を過ぎており(関西などではまだ松の内ですが)このご挨拶はおかしいかもしれませんが、年頭でありお許し下さい。
 さて今年は、会長の挨拶にもありますように、塩ビにとっての転換点となるよう猪突猛進?で努力していきたいと思います。なんか政治家の演説みたいですが、皆様のご理解、ご協力をお願いいたします。
 昨年末の編集後記にありますようにH2さんに代わり、今回の編集後記からVEC事務局担当(複数)にて書かせていただくことにいたしました。メルマガの内容は従来通り、トピックス、随想、お知らせの構成とし、毎週発行を継続いたします。
 本メルマガはNo.111号で1月11日発行と1が六つも並びます。たまたまとはいえ、新編集陣が励まされているようであり、気を引き締めて取り組まなければとプレッシャーを感じている次第です。今後もご愛読よろしくお願いいたします。(可)

≪読者からのお便り≫

110号拝見しました。どの記事も面白かったです(特に亀の冬眠準備)。
さて、H2さん今回をもって編集後記をご勇退とか。長いこと楽しませていただきました。ありがとう。お元気でまたご活躍の場を作って下さいね。ブログなど開かれたら、ぜひご周知ください。…(前田直哉様)

H2さん、メルマガ『卒業』との事、お疲れ様でした。最後のクイズ解きましたよ。
答:お年玉・・・・・・問:ハズバンド、羊の歯草、今居ない
解:ハズバンド(夫:オト)、羊の歯草(羊歯:シダ)、
  今居ない(イマのイがなくて:マ)
答:初日の出・・・・・・問:グリーンの、土のうしろのCのあと
解:グリーン(麻雀の発:ハツ)、土のうしろの(土曜日の次の日曜日:ヒノ)、
  Cのあと(D:デ)
答:年賀状・・・・・・問:想っても、探さないぞよ、愛娘
解:想っても(念:ネン)、探さないぞよ(サガのサがなくて:ガ)、愛娘(嬢:ジョウ)
ばっちりだと思いますが、いかがでしょう。どうぞ、お元気で。
…(ご褒美をお待ちしていたのに…様)

H2様、お疲れ様でした。毎週、軟硬取り混ぜた塩ビ関連の話題、楽しい編集後記、ありがとうございました。ところで「晴ゴロ雨ゴロ」とはご冗談。「晴山雨孫」ではありませんか?お体に気をつけて。今度は、随想へのご登場を期待しています。…(EKMMファン様)

前回の編集後記をご覧になりたい方は、こちらからどうぞ。
https://www.vec.gr.jp/mag/110/index.html#kouki

VEC関連URL
●VEC 塩ビジュニア https://www.vec.gr.jp/kids/index.html
●塩化ビニル環境対策協議会 http://www.pvc.or.jp/
●樹脂サイディング普及促進委員会 http://www.psiding.jp/
●樹脂サッシ普及促進委員会 http://www.jmado.jp/
●メールマガジンバックナンバー https://www.vec.gr.jp/mag/index.html

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◆編集責任者 事務局長  東 幸次

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