NO.105
発行年月日:2006/11/24

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トピックス
◇樹脂サッシ採用の大型マンション、東京都心に誕生
東京都の「マンション環境性能」表示でも満点の評価

随想 
ボルボも、積極的塩ビ使用を表明——世界塩ビ会議の報告
塩ビ工業・環境協会 専務理事 西出徹雄
お知らせ
【NEW】日経住まいのリフォーム博 2006出展&第4回「住まいと環境・エネルギーセミナー」開催案内
【NEW】VEC HPを更新致しました。
【終了報告】Japan Home &Building Show 2006
【終了報告】安心・安全な家作りセミナー in 高崎

編集後記

トピックス
◇樹脂サッシ採用の大型マンション、東京都心に誕生

東京都の「マンション環境性能」表示でも満点の評価

シェルゼ木場公園完成予想図
(設計段階の図面を基に描いたもので
実際とは異なる場合があります。)
 東京都は、昨年の10月から、「マンション環境性能表示制度」をスタートさせました。これは、大規模新築マンションの販売広告に環境性能に関する情報の表示を義務付けて、マンション購入希望者への情報提供とともに、建築主に自主的な環境配慮の取組を促し、また環境に配慮したマンションが高く評価される市場の形成を図るという狙いなのだそうです。
 具体的には平成17年10月1日以降に建築物環境計画書を東京都に提出する、延床面積1万平方メートル以上の分譲マンションが対象となり、「建物の断熱性」、「設備の省エネ性」、「建物の長寿命化」、「みどり」の4項目に付いてそれぞれ星の数で★、★★、★★★の3段階で評価されます。そして、建築主はその評価結果を販売広告に表示することが義務付けられ、東京都はその結果を公表することになっています。

 この制度のスタート以来1年ちょっと。今までに評価結果が東京都環境局のホームページに公表されたマンションは15棟。先日ちょっと気になって、評価状況がどんなものか調べてみました。そして、驚きました。
 15棟のうち、4項目とも最高点の★★★が並んでいるのはたった1棟でした。12点満点の12点、正に満点です。他の14棟は10点が3棟、9点が3棟、8点が7棟、7点が1棟。
 項目別に見ると「みどり」については15棟の内7棟が★★★、「省エネ性」については4棟が★★★でしたが、「断熱性」と「長寿命化」については★★★は1棟のみ。この1棟というのが、鹿島建設が設計・施工し、(株)明豊エンタープライズが売主の「シェルゼ木場公園」という、江東区の14階建て総戸数127戸の分譲マンションでした。

 どうしてこのマンションだけが満点の評価を受けたのか?とりわけ、「断熱性」で★★★が取れたのか?
 その理由は少し調べてみて分かりました。しかも私たちにとって大変嬉しい理由でもありました。
 じつはこの「シェルゼ木場公園」、全戸に、断熱材をコンクリートの外側に設ける、いわゆる外断熱工法を採用し、合わせて(ここが肝心)、窓には複層ガラス・樹脂サッシシステムを取り入れているのです。しかも複層ガラスには特別断熱性の高いLow−E複層ガラスが使われています。当然サッシの材質は塩ビ。

 東京都のガイドラインによると、「断熱性」で★★★評価を得るためには、省エネ法に基づき平成11年に制定された、「次世代省エネルギー基準」を満たす必要があるのです。このマンションはこの「次世代省エネルギー基準」をはるかに超える水準を狙ったものであり、当然の如く窓には複層ガラス・塩ビサッシシステムを採用した、というわけです。
 事実、今回公表されている15棟のうち、「シェルゼ木場公園」を含めて6棟が複層ガラス使用を謳っていますが、複層ガラス・塩ビサッシシステムを採用しているものは他にはありません。

 抜群の断熱性を誇り、省エネルギー・省炭酸ガスであるだけでなく、結露防止や防音にも役立ち、健康保持の効果もあるのがこの複層ガラス・塩ビサッシシステム。東京都心の大規模マンションでの採用例がやっと出てきました。今後も次から次へと波及していって欲しいものです。

 これだけの配慮がされているマンションですから、必ずや住み心地も抜群だと思います。平成20年2月竣工予定だそうですが、「あなた、ちょっと一軒買ってみない?」なーんて。いや、ホント。

 万一その気ならお急ぎください。このマンション、第1期分は全戸即日完売だったようですから。

東京都環境局「マンション環境性能表示」はこちらからご覧頂けます。
http://www2.kankyo.metro.tokyo.jp/building/eco/index.html

随想
ボルボも、積極的塩ビ使用を表明——世界塩ビ会議の報告
塩ビ工業・環境協会 専務理事 西出徹雄

会議風景
ロシア美術館とプーシキン像
エルミタージュ美術館
 毎年秋に恒例となっている世界塩ビ会議が、今年は10月19〜20日に、ロシアのサンクトペテルブルクで開催されました。塩ビ樹脂メーカーを中心に約100名が参加し、私も出席しましたので、会議でのトピックスを簡単にご紹介しましょう。(ロシアではこのような会議が開かれるのは初めてのことで、会議に先立つ10月18日には、塩ビの環境安全問題についてのセミナーも開催されました。)

 欧州では塩ビ忌避の動きは沈静化し、塩ビ樹脂の需要は安定的に増加を続けています。「ビニル2010」のビジョンに基づき、鉛安定剤の転換やリサイクルの拡大の努力が行われています。しかし、加工業界まで一体となって目標設定を行いコミットするやり方は日本より進んでいるものの、実際の転換や技術開発自体は日本の方が実態は進んでいるように思えます。
 既存化学物質まで含めて安全管理を行うREACH制度は欧州議会でこの11月にも可決される見通しとなり、早ければ来年からの実施の運びとなりそうです。第1段階としてそれぞれの化学物質の登録が必要になりますが、この登録のタイミングは生産量に応じて3年以内(年産1000トン以上)から11年以内(年産1トン以上)まで差がつくようです。なお、制度の細目については、欧州議会での議論で修正される可能性がありますので、最終的な案が固まるまでは明確にならないところが残ります。

 米国では建築材料としての塩ビ製品に関連して、グリーン・ビルディングの評価制度が複数運用されていますが、素材としての塩ビに対しては中立的な立場に立っているものが殆んどのようです。
 塩ビの良さを知ってもらうために、建築デザイン・コンテストを開催したり、子供の発音学習のための塩ビ製器具を提供したり、いろいろプロモーション活動を進めているようです。

 開催国ロシアの塩ビ事情はこれまで余り知られていませんでしたが、今回の発表によれば塩ビ樹脂の国内生産は年間60万トン余りで、旧東欧圏の生産能力130万トンに比べても小さいものです。しかし内需は年率20%を超える伸びを示しているそうです。主要な用途は窓枠、電線、床材などであり、輸入も急速に増加しているようです。統計の整備も遅れていることもあって、今回の会議を契機として、ロシア国内で関連業界の組織化を進めようという機運も高まりました。

 個別分野の話題としては、自動車メーカーのボルボから、塩ビは沢山の優れた性質を有しているので、安全問題やリサイクルへの対応を期待しつつ、今後も使い続けたいとのメッセージが表明されました。塩ビを積極的に評価していこうという動きはこの他にもいろいろ見うけられ、会場にも「PVC(塩ビ):the Materialof Choice for Sustainable Building」というような大ポスターが飾られたりしていました。

 昨年の開催地はサンフランシスコでしたが、今年のサンクトペテルブルクは北緯60度ですから、10月半ばすぎとはいえ最低気温は零度近くまで下がり、完全に冬の気候でした。
 ピョートル大帝が1703年に建都してからわずか300年の都市であり、プーチン大統領の出身地、またプーシキンやドストエフスキーの小説の舞台にもなっていますが、帝政ロシアの首都として富を集中して作られた宮殿や教会などの豪華さは、想像を遙かに超えるものでした。エルミタージュ美術館のコレクションも膨大なものですから、ちょうど今、東京都美術館で「大エルミタージュ美術館展」が開催中ですが、そちらへの出展作品は300万点といわれる所蔵品のごく一部にすぎず、ダ・ビンチやレンブラントから近代の画家の作品に至るまで、とても見尽くせない数の名品が揃っていました。

 来年は大規模なワールド・ビニル・フォーラムが9月に米国ボストンで開催されるため、世界塩ビ会議は開かれないことが決まりました。

お知らせ
【NEW】 日経住まいのリフォーム博 2006 出展&第4回「住まいと環境・エネルギーセミナー」開催案内

 快適、健康、そして安全・安心なリフォームを考えている方におすすめのイベント、「日経住まいのリフォーム博2006」が下記の要領にて、開催されます。
 樹脂サッシ普及促進委員会、樹脂サイディング普及促進委員会にて出展致します。

 ・日 時:2006年12月14日(木)〜17日(日)
      10:00〜17:00(最終日は〜16:00)
 ・場 所:東京ビッグサイト(西1・2ホール)
      東京都江東区有明3−21−1
 ・主 催:日本経済新聞社
 ・入場料:無料
 ・日経住まいのリフォーム博2006のホームページをご覧下さい。
http://sumai.nikkei.co.jp/reform/reformhaku/


 この会場内にて、第4回「住まいと環境・エネルギーセミナー」を以下の要領で開催致します。

 ・日 時:2006年12月17日(日)
      第1部 11:30〜12:20
      第2部 14:00〜14:50
 ・会 場:「日経住まいとリフォーム博」
      会場内特設ステージ
 ・参加費:無料
 ・セミナー内容:
   第1部:「窓とリフォーム&エコロジー」
   第2部:「リフォームでロハスな生活」

   詳細はこちらをご覧下さい。
   第4回「住まいと環境・エネルギーセミナー」案内

【NEW】 VEC HPを更新致しました。

 11月15日付けで、VEC HP「塩ビの生産出荷データ」の更新と「トピックス」への最近のVEC活動の掲載を致しました。それぞれのアドレスよりご覧頂けます。

 ・10月度の塩ビの生産出荷データ
https://www.vec.gr.jp/enbi/seisan.htm

 ・トピックス
  1.環境性能満点のマンションは、“樹脂サッシ”採用
  2.第4回「住まいと環境・エネルギーセミナー」開催
https://www.vec.gr.jp/topics/index.html

【終了報告】 Japan Home & Building Show 2006

 既報のとおり、樹脂サッシ普及促進委員会、樹脂サイディング普及促進委員会では、標記の展示会に出展致しました。

塩ビサイディング展示
塩ビサッシ展示
 ・日 時:2006年11月15日(水)〜17日(金)
 ・場 所:東京ビッグサイト(東1〜3ホール)
 ・主 催:社団法人日本能率協会
 ・出展内容:塩ビサイディング、塩ビサッシの展示
 ・来場者:約92,000名
 ・ブース来場者:約1,500名

 同展は28年目を迎える建築関係有数の展示会で、今年は500社、950小間の展示が行われ、樹脂サイディング普及促進委員会と樹脂サッシ普及促進委員会も共同でこの催しに参加し、多くの来場者の皆さんに見て触れて頂き実際のイメージを描いて頂きました。
 また、本年は特にアジア(韓国、台湾、中国等)からの来場者の方が多かったのが特徴となりました。
 塩ビサイディングの耐久性、軽量、塗替え不要、凍害・塩害を受けないなどの数々のメリットを実物に触れて頂きながら説明をさせて頂き、多くの来場者の方にご理解を頂けたものと思います。
 また、塩ビサッシの性能の紹介を目的とした結露実験BOXや遮音体験BOXには多くの来場者の方がその性能に驚かれていたようです。
 これからの快適な生活環境の創出や長寿命住宅の実現のためにも是非多くの皆さんにその存在と性能を知って頂きたく、今後とも多くの場面でご紹介させて頂きたいと考えています。
(樹脂サイディング普及促進委員会 事務局 長縄肇志)

【終了報告】 安心・安全な家作りセミナー in 高崎

 既報のとおり、樹脂サッシ普及促進委員会、樹脂サイディング普及促進委員会では、標記のセミナーに参加致しました。
 群馬県下の工務店等から55名の皆様のご参加を頂き、盛況のうちに終了致しました。

 ・日 時:2006年11月17日(金)
 ・場 所:ビエント高崎
 ・主 催:株式会社日本住宅新聞社

編集後記
 最近マスメディアを賑わせている話題の一つが、高校・中学での未履修問題。必修科目の一部を教えずに卒業させている学校が多い、しかも進学校に多いんだそうです。
 実はH2の母校、四国の某私立高校もそれらしい。先日、創立○○周年記念式典をやるというので久しぶりに帰省して出席しましたが、式典で挨拶に立った校長・理事長・同窓会長が異口同音に未履修問題についてコメントされました。H2の私見では、決まりを守らなかった学校当事者の非はもとよりですが、それを直接指導する立場にある筈の、教育委員会って一体なんなんでしょうね。まさか知らなかった訳はないでしょうし・・・。
 そういえばH2の在学時代を思い出してみると、家庭科の授業なんて受けたことないのぅ・・・、と式典後のパーティで昔のクラスメートに話したら、いや、俺たちの頃は家庭科は必修科目じゃなかったんだ、と言われてホッと一安心。高卒の資格を剥奪されたら大学のそれも就職のそれも皆経歴詐称になっちゃう(のかな?)。ま、この年になったらどうでもいいことではありますが・・・。
 なんとなく、社会の歪みが大きくなって来ている感じのする、この頃ですね。(H2記)

先週の編集後記についての読者からのお便り・・・[編集後記後]

H2さんごぶさたしています。読んでますよというアリバイ?に一筆。H2さんはチョウチョだけでなく植物にもお詳しいんですね。
僕も山へ行くたびにやろうとしますが全然だめでいつも帰路に「カード式植物図鑑」を買って増えるばかりです。夢の島熱帯植物館の展示で知ったのですが、「イヌ●●」という植物がたくさんあって、共通しているのは本来の●●に比べて小さかったり有用でない、ということだ、と両者並べて展示してありました。ちょっとかわいそうだよね。では十二支番外編。ブタクサ、ネコヤナギ、タヌキモ、ダンディライオン、カラスノエンドウ、部分品ではオオイヌノフグリ。お後がよろしいようで。…(まえだなおや様)


先週の編集後記をご覧になりたい方は、こちらからどうぞ。
https://www.vec.gr.jp/mag/104/index.html#kouki

VEC関連URL
●VEC 塩ビジュニア https://www.vec.gr.jp/kids/index.html
●塩化ビニル環境対策協議会 http://www.pvc.or.jp/
●樹脂サイディング普及促進委員会 http://www.psiding.jp/
●樹脂サッシ普及促進委員会 http://www.jmado.jp/
●メールマガジンバックナンバー https://www.vec.gr.jp/mag/index.html

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