NO.084
発行年月日:2006/06/22

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トピックス
◇叡智を尽くしたリスク評価に基づき、「安心」を求め過ぎない社会を
安井国連大学副学長、JPEC講演会で力説

随想 
「タマちゃん」のトラブル対策

日本化学工業協会 タマちゃん(特に名は秘す)

お知らせ
編集後記

トピックス
◇叡智を尽くしたリスク評価に基づき、「安心」を求め過ぎない社会を

安井国連大学副学長、JPEC講演会で力説


 私たち塩ビ工業・環境協会(VEC)は、塩ビのモノマーや塩ビ樹脂を製造・販売している企業が集まって作った団体ですが、塩ビに関する諸問題、特に環境問題などについては、VECだけで解決できるものでは到底ありません。
 そこで私たちは、塩ビ樹脂を購入して塩ビ製品を製造・販売する、いわゆる塩ビ製品の業界団体や、塩ビ製品の中に配合される可塑剤や添加剤の業界団体と一緒になって、「塩化ビニル環境対策協議会(略称JPEC)」という団体を作り、協力して塩ビの環境問題に取り組んでいます。

 このJPECの主要な活動の一つに、環境問題に造詣の深い有識者をお招きしてそのご意見を聞く、講演会の開催があります。年間2〜3回催されるこの行事には、塩ビの関係者を中心に数十人、多い時は100人を超える参加者を得て有意義な会になっています。

安井副学長講演風景
会場風景
 さる6月12日の夕刻、虎ノ門パストラルにてこのJPEC講演会が開かれました。講師としてお招きしたのは国連大学の安井至副学長。ご存知のとおり広く環境問題に関して総合的見地からのご意見を持ち、社会に対して大きな発言力を持っておられる方です。

 当日の演題は「環境問題の将来展望」。世界的な環境問題のメガトレンドとして、気候変動、食糧危機、エネルギー枯渇、人口問題、そしてそれらを踏まえたサステナブル戦略の5つを挙げ、それぞれの状況分析と打つべき対策について話されました。

 気候変動、いわゆる地球温暖化については、COとの関連やその削減効果について疑問は残っているが、日本としては姑息な手段ででなく、究極の省エネ・省資源技術の開発で対処すべしとされ、食糧問題では、輸入食料に頼っている日本は食料も水もその基盤が揺らいでいると指摘、エネルギーに関連しては原子力発電の是非の議論、人口問題については従来の右肩上がりの理論は成り立たないと主張されました。

 とりわけ会場の興味を惹いたのはサスティナビリティーの議論。世界各国、それぞれお家の事情もからんで、いわゆる「ローカルトレンド」があり、ヨーロッパは「無害化社会」、アメリカは「短期利益追求」、そして日本は「国家目標としての安心と安全」なのだそうです。
 EUが最近発効させたRoHS指令も、リスクアセスメント抜きで鉛などを電気機器分野で使用禁止にしたが、はたして実効ある対策になるのかどうか、関連業界の「ビジネスリスク」回避になるだけではないか、との厳しいコメント。
 日本の「安心を期待しすぎる」風土についても、100%の安心には「確信」と「悟り」が必要で、どこかで悟らないとやっていけないのでは、と述べられ、「悟る」ための情報伝達には、「人→人」の形が必須で、そのためにもテレビを始めとするマスメディアの責任が大きい、と話されました。

 こういった安井副学長の主張は、環境問題に関する「風評」に苦しめられてきた私たちにとっては、「我が意を得たり」の考え方であり、会場を埋め尽くした100人を超える参加者全体に共感のどよめきが広がりました。講演会終了後、会場を移して開かれた立食パーティでも、講演内容についての議論が弾み、軽い飲食を楽しみながら、和気あいあいかつ真剣な意見交換が続きました。

 この日の議論の焦点は、環境問題にはリスクを多面的に認識して対応する必要があること、それなくして安心を求めすぎると事の本質が見失われ、間違った方向へ走りかねないということ。つまり、リスクの俯瞰的理解が大変重要だ、ということのようであり、私たちの考えと同じ方向で、私たちの大きな自信につながりました。

随想

「タマちゃん」のトラブル対策

日本化学工業協会 タマちゃん(特に名は秘す)


 ワタシ「タマちゃん」といいます。あっ、違うんです。いつもお孫さんと見ている、「ちびまるこちゃん」の「たまちゃん」とは別なんです。あちらは、メガネをかけたやさしい女の子。こちらは行方不明中のゴマひげアザラシから名前が来てるんです。
 名付け親は尊敬するアスベストさん。「ありゃりゃ、似ているぞ」ってつけてくれました。こちらの「タマちゃん」は、アルチューハイマー(アルツハイマーではありませんぞ)で、テッペンの薄い、汚いおとっちゃんです。

 その「タマちゃん」が紹介するのは、事故や品質異常などのトラブルについてのお話。「ええ、そりゃあ何だよ」などと急がさないで下さい。“ご用とお急ぎのある方は”ここは飛ばして次の記事をどうぞ。

 場末の汚い酒場の閉店まぎわ。モノノケ度に拍車がかかった女将が酔っ払って、「アタシねえ、実は○○(超一流企業)で受付やってたのよ。(中略)でも、今はこんなことやってる訳よォ」とクダを巻く。
 “ケッ!そんなご面相で受付じゃ、客が卒倒するよ”、なんて心の中で悪態をつきながら、まずい酒をまたグビリ。皆さんそんな経験はありませんか。

 同じように「タマちゃん」も酔っ払うと、こんなクダをまくことがあるんです。「ワシねえ、昔××会社のR&Dだったんよ。ところが手がけた新製品がちいとも儲らんので副社長に睨まれてしもうて、環境・安全・品質部門に厄介払いされたんよ。」

 そう、「タマちゃん」は、社内外の嫌われセクションにいて、亡霊のように出てくるトラブルに追い駆けられた時代があるのです。その頃は、毎日のように“さて、どうしたらよかんべえか”と焼酎ビンを片手にしょげておりました。ところがある日、天啓のごとくかつての仲間の顔が閃いたのです。それがトラブル対策に結びつこうとは…。
 「タマちゃん」の周りには“類は類を呼ぶ”のたとえ通り、悪夢に出てきそうな連中が次々に現れ、勝手なことを吹きまくり、変な行動をしてどっかに行ってしまいました。「そうだ、あいつらの言動と起こした結果を考え合わせれば、トラブルの撲滅に参考になるはず」と思ったのです。そこで出来あがったのが、これからお教えする「トラブルに関する3つの教訓」。さて前置きが長くなりました。本題に移りましょう。

「教訓その1…トラブルに好かれる奴がいる。ヤバイ職場からはずせ。」
 A君は道産子で超の付く大人物。マージャン大好き。「これは通る!」なんて言いながら、役満振り込み。もちろん仲間からは大いに好かれてました。ところが「トラブル」からも好かれていたのです。
 「タマちゃん」と一緒だった6年間、小トラブルは数知れず。大ヒットは水素の脱圧せずに液抜きをしたこと。さすがの「タマちゃん」も仰天。
 A君その後工場に転勤。「事故るぞ、ジコるぞ」の声に応えて、課長の時には爆発事故発生。幸か不幸か隣は公設消防署。軽い火傷で済んだもののお咎めあり。部長になると、排水槽が爆発。自分は手を下していないんですがねえ。トラブルの方が「アンタ、好きよ」とすり寄ってくるのです。今は会社を移り役員に。憑き物が落ちたのか部署がよかったのか、大きなトラブルの噂は聞きません。

「教訓その2…ヒトは好んでトラブルをつくることがある。油断禁物」
 Bさんは「タマちゃん」の酒場仲間。陸運の運転手。日ごろは好人物ですが、酒が入るとコロッとヒトが変わってしまうよくあるタイプ。しかしその変貌ぶりが凄まじい。
 ある日、Bさんは行きつけの酒場に向かう途中。交番で顔見知りの駐在さんを見つけて、立ち寄り、世間話。親切にも駐在さんは「Bサンや、呑みに行くのはいいけど、酔っ払い運転だけは止めろよ」 と忠告。
 ところが、Bさんお酒が入ってヒトが変わり。“呑んでもちゃんと運転できるところを、奴に見せてやろう”と思ったかどうか。あろうことにも酔っ払い運転でそのまま交番へ直行。ついてないことに、顔見知りの駐在さん不在で、代わりは若いポリさん。そのまま御用となりました。お陰でBさん失職。

「教訓その3…どんなに良く出来ていても、必ず弱いところがある。」
 C君は小中高の学友。本ばかり読んで勉強しないので、成績は良い筈ないと気楽に付き合っていました。ところが、高校では試験ごとに順位が貼り出され、鬼才ぶりにビックリ。ずっと首席。
 田舎高校でしたが、毎年150名程度が地元の旧帝大に進学。当時のトップテンの常連から国立大の医学部教授を5名輩出しており、まあまあのレベル。
 C君は不得意科目なし。聞く・読むで全て理解の博覧強記。T大に行けと勧められて、体が弱いとお断り。そうです、C君のウイークポイントは体が弱いこと。
 トップ入学した地元の大学で博士課程を修了。行く末は研究者かと思ったら、これまた健康に不安があるとの理由で、某コンピューター会社の社外職員に就職。定年まで大分残し早期退職。今何をやっているのか。

この3つの教訓でトラブル撲滅が出来たかって? 結構出来たんです。はい。

お知らせ
【NEW】 環境シンポジウム 開催報告

シンポジウム風景
塩ビサッシ展示風景
 6月3日(土)に名古屋のアスナル・ホールで、「住から地球環境を考える」をテーマに、名古屋市と(社)名古屋市建設業協会が主催し、樹脂サッシ普及促進委員会が協賛した環境シンポジウムが開催されました。
 名古屋市塚本助役の主催者挨拶、環境省地球環境局の清水康弘総務課長の来賓挨拶に始まり、中日新聞論説委員の飯尾歩さんを聞き手とした「住まいと環境ミニ対談」、その他の講演が行われた後、飯尾さんをコーディネーターとした「住まいと環境の共生をめざして」と題するパネルディスカッションが行われました。
 ここでは、(株)シャノンの齋藤彰彦さんが「省エネ住宅を考える」をベースにして、塩ビサッシを用いることにより、既設住宅を「健康・快適」「省エネルギー」住宅に再生することが重要、と力説されました。
 参加予定人員は300名でしたが、立ち見が出る程多くの方が参加され、大盛況でした。
 樹脂サッシ普及促進委員会では、ホールの入口ロビーに塩ビサッシの効果が体感できる結露BOX、遮音BOXを始め、ドレーキープ窓・上げ下げ窓、カットサンプルなどを展示し、塩ビサッシの紹介を行いました。名古屋という都市圏での開催であった為か、展示コーナーに来られた方は、結露問題より騒音や防犯対策に興味を示していました。
(樹脂サッシ普及促進委員会 事務局長 浅田健二)

【NEW】 勝ち組み工務店育成セミナー In豊橋のご案内 

 樹脂サイディング普及促進委員会では、下記のセミナーに参加し、樹脂サイディングの紹介を行うとともに、樹脂サイディングを使用した住宅の見学会も行う予定です。

・日 時 2006年7月7日(金)
13:00〜17:30 (受付開始 12:30)
・場 所 豊橋市民センター 6階 多目的ホール
愛知県豊橋市松葉町2−63
・主 催 住まいづくり研究会
・参加費 無料
参加申込み締切り 7月3日(月)
(定員90名になり次第、締切らせて頂きます。)
※参加希望の方は下記までお問合わせ下さい
住まいづくり研究会
電 話 092(871)2409

上越市環境フェア2006 出展案内

 樹脂サッシ普及促進委員会では、環境保全・改善について市民の意識高揚を促すための総合的な普及活動の場として開催される、「上越市環境フェア2006」に出展し、塩ビサッシ、塩ビサイディングのご紹介を致します。

・日 時 2006年6月25日(日)
9:00〜16:00、入場無料
・場 所 上越市市民プラザ
上越市土橋1914−3
・主 催 上越市
・目 的 1.市民への環境配慮型商品の普及啓発
2.省エネ・ライフの推進
3.グリーン購入の推進
4.関連企業同士の情報交換及び連携

NHK総合テレビで環境ホルモンに関する番組を放送。

6月28日(水)20:00−20:43に放送される「ためしてガッテン」にて、環境ホルモンが取り上げられます。
『?にお答えします 環境ホルモン』と題して、視聴者から寄せられた疑問・質問に答えます。
是非、ご覧下さい。

番組の詳細は以下のアドレスよりご覧頂けます。
http://www.nhk.or.jp/gatten/schedule/index.html

PVC Newsが6/19に発行されました。

 PVC News 57号(塩化ビニル環境対策協議会)が発行されました。
記事の一部をご紹介致します。

■トップニュース
 高まる、塩ビ製品の環境評価
  「通気用リサイクル塩ビ管」と「塩ビ床材」が、グリーン購入法の<特定調達品目>に
http://www.pvc.or.jp/news/57-01.html

■インフォメーション(1)
 塩ビサイディングはエコ建材。環境の実態が明らかに
  鳥取環境大・木俣教授のグループがLCA評価結果を報告。学会でも反響
http://www.pvc.or.jp/news/57-04.html

■インフォメーション(2)
 省エネ住宅の切り札 「樹脂サッシ」 の最新事情
  冷暖房費を節約し、CO2を削減。高層マンション、ホテルなどでも続々採用
http://www.pvc.or.jp/news/57-05.html

■塩ビ最前線
 すし型USBメモリー「SushiDisk」ヒットの秘密
  塩ビ食品サンプルとIT機器がドッキング。インパクトの強さで大ブレーク
http://www.pvc.or.jp/news/57-06.html

その他、塩ビに関する最新情報をお届け致しています。

・PVC News最新号の詳細は下記からご覧頂けます。
http://www.pvc.or.jp/index/i_saisin.html
購読を希望される方は、送付先などご連絡下さい。

・PVC Newsバックナンバーは、
塩化ビニル環境対策協議会のHPよりご覧頂けます。
http://www.pvc.or.jp/
編集後記
 日常生活の中でガンリスクの最強はタバコとか。日本人男性が全くタバコを吸わなくなったら、年間のガン発症者数が50万人から40万人にまで減る、といわれている由。2004年の日本男性の喫煙率は43.3%だそうですが、厚生労働省は2010年までにこれを26.4%にまで下げたいと提案したそうです。なんて訳で今日はタバコの話。

 先日の総会でVECの正副会長に就任された3人と話していたところ、3人ともタバコは吸わないとのこと。さすがァ、と感心して詳しく伺うと3人とも禁煙歴は数年〜十数年で、つまり往時はスモーカーだったらしい。
 そういえば最近、禁煙したという話はよく聞きますよね。H2の悪友のなかには、「禁煙なんか簡単だ。俺は月に一度は禁煙してる」とのたまう向きもありますが・・・。
 と思うと、「禁煙を宣言した時点で持っていた3本のタバコを、3日かけて名残を惜しみ、その後一切吸ってない」というけなげな話も聞きました。

 H2はといえば禁煙歴約35年。禁煙宣言したのが3月23日で、その後、月末まで必死になって吸い続け、月が変わると同時にぴたりと止めて今日に至っています。その理由は?簡単です。もしも禁煙に失敗したら、「いやあ、あれは君、エイプリルフールだよ、ワッハッハァ」と笑ってごまかそうという、深慮遠謀だったのです。ワッハッハァ!(H2記)

先週の編集後記についての読者からのお便り・・・[編集後記後]

H2さんが無免許とは知りませんでした。いやおめでとう。というか知り合いでオレオレ詐欺の未遂も初めてです。
ちなみに僕は原付のみです。今は乗ってないけど、免許証を持っていると映画で割引を受けるには便利です。…(前田様)

先週の編集後記をご覧になりたい方は、こちらからどうぞ。
https://www.vec.gr.jp/mag/083/index.html#kouki

VEC関連URL
●VEC 塩ビジュニア https://www.vec.gr.jp/kids/index.html
●塩化ビニル環境対策協議会 http://www.pvc.or.jp/
●樹脂サイディング普及促進委員会 http://www.psiding.jp/
●樹脂サッシ普及促進委員会 http://www.jmado.jp/
●メールマガジンバックナンバー https://www.vec.gr.jp/mag/index.html

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