NO.071
発行年月日:2006/03/16

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トピックス
◇芝浦で、川崎で、札幌で、・・・塩ビサッシ標準装備の高層マンション、続々誕生
 高層建築での塩ビサッシ、大ブームの予兆も!

随想 
 アメリカFDAのFCN制度について
塩ビ食品衛生協議会 常務理事 石動正和
お知らせ
編集後記

トピックス
◇芝浦で、川崎で、札幌で、・・・塩ビサッシ標準装備の高層マンション、続々誕生

高層建築での塩ビサッシ、大ブームの予兆も!

 住宅やオフィスなどの生活空間の断熱性を向上させ、気密度を高めることによって、夏は涼しく冬暖かい快適な空間にすると同時に、結露を防いだり騒音をシャットアウトしたり、トイレや風呂場などでのヒートショックによる不慮の事故を防止したりすることができます。
 そのためのもっとも有効な方法の一つとして、窓の部分に、断熱の良い複層ガラスを用い、窓枠をこれまた断熱度の高い塩ビ樹脂製のサッシにする方法があります。

 この方法はヨーロッパ、アメリカなど西欧諸国では古くから採用されており、お隣の中国や韓国でも住宅の大半はこの「複層ガラス・塩ビサッシ」方式です。
 日本でも30年程前に導入され、北海道や東北などの寒冷地を中心に徐々に普及してきましたが、生活文化の違いもあるためでしょうか、日本全体としてはまだ新築住宅の1割にも満たない普及率に止まっていました。
 しかし、昨今の省エネルギーブーム、地球温暖化防止ブームに乗って、さらには市民の快適生活への志向度の高まりとともに、塩ビサッシに注目が集まりつつあります。

 さらに、この「複層ガラス・塩ビサッシ」システムはこれまで主として戸建住宅の新築及びリフォーム需要を中心に伸びてきたのですが、ここへ来て集合住宅、とりわけ市街地の高層マンションにも、その性能の素晴らしさを評価されて、標準仕様として採用され始めました。

 例えば東京芝浦、JR山手線田町駅から徒歩11分に建設中の「芝浦アイランドケープタワー」。48階建、全戸数1095戸、今年末完成というこの大規模高層マンションには、全戸に塩ビサッシの内窓が取り付けられていて、高度の快適さが保証されています。
 また、神奈川県川崎市、JR川崎駅前に建設中の「ラゾーナ川崎レジデンス」。この34階建て667戸のマンションにも、全戸に塩ビサッシの内窓完備の予定です。18年3月末完成予定。
 さらに、北海道は札幌、JR札幌駅徒歩2分に建設中の「D’グラフォート札幌ステーションタワー」。ここは40階建、総戸数336戸ですが、同じように全戸に、塩ビサッシを装置する予定とか。但しこちらは、内窓ではなく、本格的「複層ガラス・塩ビサッシ」システムです。

 このように、大都市の中心部、しかも揃って超高層の、いわゆるタワー形式のマンションで相次いで塩ビサッシが採用され始めています。このことは、高断熱・高気密住居の快適さが広く理解され始めたものと考えられ、誠に嬉しい出来事です。ひょっとするとこれは、塩ビサッシマンションの大ブームの予兆か?なんて考えると胸が躍りますよね。

 導入の理由としては、夏涼しく冬暖かいということもさることながら、市街地のど真ん中に立地するということから、街の騒音がひどいと想定され、このシステムによる防音効果も配慮されているのではないかと思われます。賑やかな街中から、一歩自宅に帰って窓を閉めるとたちまち広がる静寂の世界、なんて宣伝文句が浮かんできそうですね。

随想

アメリカFDAのFCN制度について

塩ビ食品衛生協議会 常務理事 石動正和

 アメリカのFDA(食品医薬品局)は、今から約半世紀前の1958年、米連邦食品医薬品化粧法を改正し、間接添加物を含む食品添加物に対し、それまでは担当者のレターなどを参考にして認可していたやり方を見直し、申請・認可・開示を管理の枠組みとするFAP(Food Additive Petition)制度を導入した。この制度に基づいて整備され、CFR(Code of Federal Regulations)に開示された物質リストは、情報の透明性と蓄積性が高く、長年世界各国で幅広く利用されてきた。
 しかし、化学物質ごとの審査は、製造と使用におけるさまざまなケースを想定するため、登録まで2〜5年あるいはそれ以上かかると言う問題を抱えていた。また、申請側・認可側には少なからぬ負担を強いる反面、開示後はだれもが情報を共有できるという、ある意味の不公平さも持っていた。

 FDAは1999年に、このFAP制度を存続させながら、新たにFCN(Food Contact Notification)制度を導入した。このFCN制度では、製造者により製造物質ごとに届出を行い、よほどの問題がない限り、4ケ月という短期間で受理されることが謳われた。スピードアップに加え、届出者の利益が確保され易い制度であることが評価され、届出数は、同年10月の制度発足から2006年1月28日までの間に555件に達し、更に増加の一途を辿っている。

 こうした中、つい先頃FDAは、2007会計年度予算案で、FCN関連予算をゼロとし、スタッフ69人を解雇する、いわば大幅な革新の決定を下した。FDAはこの理由として、予算全体の増大傾向の中で、バイオテロリズムやインフルエンザに戦略的に予算を充当するためとし、FCNについては、食品添加物や色材関連予算への一本化で対応するとしている。

 この決定をいち早く伝えたのがFDA申請の代理機関であるKeller & Heckmanで、同機関は同時に、今後選択可能な方法は、以前のFAP制度に戻ることだとの見解を示した。続いて、FAP制度発足以前からFDAと協力関係にあったSPI(The Society of the Plastics Industry)が、今回の改定は市場競争力の低下を招くと懸念し、FCN制度存続のため米工業界全体に基金設立を呼びかけると公表した。

 こうしたFDAの予算の見直しには、案件ごとの審査作業が重かったFAP制度に対し、FCN制度では届出数が極端に増加したため、政府機関では処理しきれなくなっている背景があると思われる。
 日本の食品容器包装材分野でも、間接添加物のポジティブリストや、審査・登録などマネジメントシステムについて、一部に法制化を図る動きがある。しかし、こうしたアメリカFDAの動きを見るにつけ、日本に根付いた官民共同体制のユニークさを評価し、昨今のレスポンシブル・ケア活動をはるか30年前に先取りした、業界による自主管理活動には大きな意義があったことを、今一度確認すべきであると考えるものである。

お知らせ
PVC Newsが3/14に発行されました。

 PVC News 56号(塩化ビニル環境対策協議会)が発行されました。
記事の一部をご紹介致します。

トップニュース(1)
塩ビを含む建設系混合廃プラのサーマルリサイクル確立へ
トップニュース(2)
塩ビ業界、新潟中越地震の塩ビ廃材リサイクルを全面支援
《《注目記事》》
視点・有識者に聞く
化学物質の安全性確保へ向けて
化学物質のベネフィットを考慮しつつ、リスク管理で健康被害を未然防止
環境省環境保健部 環境安全課長 上家和子氏
リサイクルの現場から
使用済み塩ビ管・継手のリサイクルシステム、さらに拡充
インフォメーション
廃棄物リサイクルの最先端に挑む、水島エコワークス(株)の現状

 その他、塩ビに関する様々な情報をご紹介しています。

 ・PVC News最新号の詳細は、塩化ビニル環境対策協議会のHPよりご覧頂けます。
http://www.pvc.or.jp/index/i_saisin.html
  購読を希望される方は、送付先などご連絡下さい。

 ・バックナンバーは、塩化ビニル環境対策協議会のHPよりご覧頂けます。
http://www.pvc.or.jp/

「塩ビファクトブック2005」に検索機能を付けました。

塩ビ工業・環境協会ホームページ内の「塩ビファクトブック2005」に検索機能を付けました。以下のアドレスよりお試し下さい。
https://www.vec.gr.jp/fact/index.html

編集後記
 最近、クラシック音楽の名曲のエッセンスを収録した、ベストクラシック100というのがよく売れているようです。H2もクラシックは嫌いではなく、かといって大曲をいちいち聞き耳立てて聞くほどのファンでもなし、デスクワークしながら音楽を聴く、いわゆる「ながら族」を何十年と続けてきたのです。

 そこでこの前、この「ベスクラ100」なるCD6枚組のものを、大枚(?)3,000円なりで購入しました。買ってきて聴いてみて・・・、いいですね、これは!
 交響曲や協奏曲やオペラや・・・、ピアノやバイオリンやハープやテノールや・・・、いろんな曲が、そのさわりだけ次から次へと流れ出てくる。読書しながら、食事しながら、家人と会話しながら、バックグラウンドミュージック付きの生活、なんです。おおいに気に入りました。

 というわけで、この編集後記も、ヨハン・シュトラウスの「南国のバラ」をBGMとして生まれたものです。いかがでしょうか。
 なに?全然芸術味がないって? どうも、すみません。
(H2記)
〔編集後記後〕
使用済みのカレンダーが棄て難いぐらいならまだ大丈夫です。
私の家では、毎年シリーズで購入しているカレンダーが、もったいなくて使うことも出来ないまま、何年分も大切に保管されています。
本来の使命を果たせずにいる、カレンダーたちから恨まれていそうです。・・・
 (匿名希望様)
 先週の編集後記をご覧になりたい方は、こちらからどうぞ。
https://www.vec.gr.jp/mag/070/index.html#kouki

VEC関連URL
●VEC 塩ビジュニア https://www.vec.gr.jp/kids/index.html
●塩化ビニル環境対策協議会 http://www.pvc.or.jp/
●樹脂サイディング普及促進委員会 http://www.psiding.jp/
●樹脂サッシ普及促進委員会 http://www.jmado.jp/
●メールマガジンバックナンバー https://www.vec.gr.jp/mag/index.html

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