NO.064
発行年月日:2006/01/26

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◇塩ビ系サイディングの温暖化にかかわる負荷は金属系、窯業系の約1/3!
 第1回日本LCA学会で、鳥取環境大学木俣教授発表

まちかど妙報室 −その15:駐停車禁止がNO?−
お知らせ
編集後記

トピックス
◇塩ビ系サイディングの温暖化にかかわる負荷は金属系、窯業系の約1/3!

第1回日本LCA学会で、鳥取環境大学木俣教授発表

 LCA(ライフサイクルアセスメント)という概念はご存知ですよね。平たくいうと、ある製品やその部材を選ぶ時に、値段や性能や使い勝手や見てくれやに加えて、そのものがどの程度資源消費や環境負荷を経て、作られ、使用され、廃棄されるのかを算定して、その結果も反映して選択しようではないか、という考え方です。

 このLCAを理論的に系統付け、実際の政策決定に役立てようと一昨年、日本LCA学会が設立されました。そして昨年の12月に、この学会主催で「第1回日本LCA学会研究発表会」が、つくばの(独)産業技術総合研究所で開催されました。

 この研究発表会で、私たち塩ビ業界に取って興味深い研究成果が発表されました。「住宅用サイディングのLCA手法による評価」と題した、鳥取環境大学の木俣信行教授らの発表です。
 木俣教授は、住宅建築が地球温暖化に対して大きな影響を与えていると指摘し、住宅の外皮(屋根、外壁など)を構成するサイディング材のうち、木質系(国産材、輸入材)、金属系(鋼板材、アルミ材)、窯業系(セメント材、珪カル材、タイル材)、それに塩ビ系のそれぞれについてLCA的見地から検討しました。どの材質がどの程度の負荷を持っているか、総合的にLCAの見地からすればどの材質がお薦めかはっきりさせよう、という訳です。

 結果を見て、びっくりしました。そして嬉しくなりました。
 木俣教授は、NIRE(JEMAI)−LCAという手法を用い、14種類のサイディング材について資源消費、地球温暖化、酸性化、エネルギー消費などの切り口から200項目近いインパクト物質の詳細なインベントリを算出し、その結果をこれらカテゴリー毎に分類してインパクト評価を行い、材種間の違いを調査したのです。
 その結果、詳細は省きますが、以下のようなデータが得られました。
・地球温暖化およびエネルギー消費に関して、塩ビ系の負荷は金属系や窯業系の約1/3、木質系の約1/7である。
・酸性化に関しては、塩ビ系の負荷は窯業系の約60%、金属系の約1/4、木質系の約1/5である。
・資源消費に関しては、塩ビ系の負荷は金属系とほぼ同程度で、窯業系、木質系の約10倍になる。

塩ビサイディングを採用した住宅
 木俣教授は、この研究で分かった注目すべき結果として「(特に輸入材使用の場合には)木質系サイディングは環境面で必ずしも絶対的優位性を持つものではない」ということ、および「工業生産品は総じて健闘していると評されるが、その中で塩ビサイディングは多くの材種に対して優位性を有していることが分かった」ことを挙げられ、さらに日本で採用されるサイディングがすべて塩ビ製になった場合、年間約140万トンのCO2排出抑制が可能であるとコメントしておられます。

 塩ビ製のサイディングは、丈夫で長持ち、軽くてきれい、施工も容易で錆びないということで最近着実に人気を得つつありますが、その上に温暖化や省エネルギーにも強いという、まさに強い味方がはっきりした訳です。

 そろそろ壁を塗り替えようかと考えている貴方、今度は塗り替えじゃなくて塩ビサイディングの採用ですぞ!

木俣教授のレポートをご覧になりたい方は、以下のアドレスの16、17ページをご覧下さい。
http://ilcaj.sntt.or.jp/lcahp/b03.pdf

まちかど妙報室

まちかど妙報室 −その15:駐停車禁止がNO?−


 ある学校のPTAの皆さんが作った看板が、校庭のフェンスに取り付けてありました。黄色い地色に大きく赤文字で「NO」と書き、その上から黒文字で「駐停車禁止」と書いてあります。
 散策の途中にこの看板に出会った浮遊子、元来のひねくれた性格も手伝って、「駐停車禁止に反対だ」、と読んでしまいました。交通に何の支障もないのに、駐停車を禁止するのはけしからん、反対、ハンターイ!と主張しているのかな?と思ったわけです。

 もちろん、普通に考えればこの看板の主張しているところは、「この場所では駐車や停車はしてはいけませんよ、駐停車は禁止ですよ」というところにあるのだとは分かりますし、浮遊子のような解釈はひねくれた、ためにする議論であることは明らかです。が・・・。

 いろんな論争がある事柄については、論争相手につけこまれないように、表現には充分な気配りが必要です。特に文章での誤りは致命的になることもあり得ます。
 そういえば他人事ではありません。浮遊子などは某所で廃棄プラスチックの処理問題について議論することになった時、会議資料に「管理型埋立」と書くべきところを「安定型埋立」と誤って記載して間違いに気づかず、会議の場で初めて気付いて大慌てで修正して、恥をかいたことがありました。

 最近、誤変換大賞などといって、ワープロでの誤変換の面白さを楽しむことが盛んに行われていますが、きれいな字体になったワープロの文章では誤変換があっても見つけにくく、うっかりミスも多いものです。
 正確に物事を伝えるために、慎重に慎重を重ねて正確を期すことが大切だ。このような反省をさせてくれた、看板でした。
(浮遊子)

お知らせ
ENEX2006 第30回地球環境とエネルギーの調和展 出展案内

[東京会場]
日 時 2006年2月1日(水)〜3日(金)
10:00〜17:00
場 所 東京ビッグサイト(西1ホール)

[大阪会場]
日 時 2006年2月16日(木)〜18日(土)
10:00〜17:00
場 所 インテックス大阪2号館

テーマ 2010年省エネ社会へ
「変わる、変える、私たちの暮らし、しごと」
〜企業と、家族と、地域でエネルギーダイエット〜
主 催 財団法人 省エネルギーセンター
入場料 無料
樹脂サッシ普及促進委員会とプラスチックサッシ工業会にて共催致します。
東京電力のブースにも、内窓と外窓の樹脂サッシを展示致します。
ENEX2006 ホームページをご覧下さい。
http://www.eccj.or.jp/enex2006/


ひょうじょう展 〜未来はいい”表情”から始まる〜 出展案内

日 時 2006年2月23日(木)〜3月14日(火) ※水曜日(祝日を除く)休館
10:30〜19:00
場 所 リビングデザインセンターOZONE (3F:OZONEプラザ、6F:リビングデザインギャラリー)

主 催 「ひょうじょう展」実行委員会、リビングデザインセンターOZONE
入場料 無料

樹脂サッシ普及促進委員会では、樹脂サッシを用いた遊具の提案として、フレームに樹脂サッシを用いた屏風状の鏡の世界を作り、見えたり、離れたりする不思議な世界を表現します。(6F:リビングデザインギャラリー)
2006年3月9日(木)開催のトークイベント会場に、「塩ビ工業・環境協会PRコーナー」を出展致します。(3F:パークタワーホール ホワイエ)
詳細は、ひょうじょう展 ホームページをご覧下さい。
http://www.ozone.co.jp/WebX?13@251.RIqAbGa3bJt.0@.346a1b17
http://www.ozone.co.jp/WebX?13@@.349c6409

編集後記
 地球温暖化の所為なのか、先週の関東地方は珍しく大雪でした。東京都内でも積雪10センチとか。
 何の因果かこの週末、H2は愛車を駆って伊豆の山奥へ出かけていました。天気予報は雪だぞ雪だぞといっていたのですが、呑気者のH2、なあに、何とかなるさとたかをくくって出かけたのです。
 そして一夜明けた朝、幸い宿舎のあたりは雨模様でしたが、テレビをつけてびっくり。東京は大雪、しかも今日よりも明日がもっと降る、とのこと。
 こりゃいかん。帰り道の御殿場あたりでスリップでもしたらえらいこっちゃ、メルマガも書けなくなる(これは冗談)。てんで、予定を切り上げて昼前に帰途につきました。
 その帰途、降り続く雪の中を走りに走って、なんということもなく帰り着きました(1ヶ月程前に交換したスノータイヤの威力!)が、帰り道の景色の素晴らしかったこと。雪化粧した山々の美しさ、道路脇の木々に雪が積もって、桜の花が咲いたかのよう。折から満開のツバキの木にも積もって、雪帽子をかぶった「雪ツバキ」。
 むかしむかし、「枯れ木に花を咲かせましょう」とやった、例の花咲じじいというのはひょっとしてこの雪将軍のことなのかな?と思ったぐらい。
 自宅に帰り着いて、雪景色を見ながらやった冷酒も美味かったですぞ!

(H2記)


VEC関連URL
●VEC 塩ビジュニア https://www.vec.gr.jp/kids/index.html
●塩化ビニル環境対策協議会 http://www.pvc.or.jp/
●樹脂サイディング普及促進委員会 http://www.psiding.jp/
●樹脂サッシ普及促進委員会 http://www.jmado.jp/
●メールマガジンバックナンバー https://www.vec.gr.jp/mag/index.html

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