NO.055
発行年月日:2005/11/10

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トピックス
◇中学生、高校生に正しい塩ビの情報を!
  「環境最前線」、中高教育現場の最前線で活用

随想
古代ヤマトの遠景(2)−纏向遺跡−
信越化学工業(株) 木下 清隆
お知らせ
編集後記

トピックス
◇中学生、高校生に正しい塩ビの情報を!

「環境最前線」、中高教育現場の最前線で活用

 「重いかばんを抱えて、通ったあの道・・・」。これは、ご存知ペギー葉山が歌って一世を風靡した「学生時代」のなかの一節です。昔も今も、小学校から中学、高校まで、学生達はみんな、各教科の教科書をかばんに入れて学校に通い、勉強にいそしむのです。
 その教科書は、将来の日本を背負う若者たちが知識の糧にする、大切なものです。その教科書に、万一、不適切なことが書かれていて、それを勉強した若者たちがその不適切なことを事実であると信じ込んでしまっては、大きな不幸が生じるというものです。

 なぜこんなことを話題にするかというと、教科書に書かれている塩ビやプラスチックについての記述に問題があるからです。中学校や高等学校の、理科や社会科や家庭科の教科書の一部に、塩ビとダイオキシンや環境ホルモン、プラスチックの廃棄物処理方法などについて、私たちの常識とかけはなれた記述がよく見られるのです。それについて私たちは、関係先に事情を説明して理解いただき、記述を訂正していただく活動を続けています。お蔭様でこの活動は着々と実を結び、複数の教科書で現実に訂正されてきています。

 しかし、私たちが常時、すべての教科書に目を光らせ、あたかも検閲官みたいにチェックすることも不可能ですし、間違いを正すことだけでは建設的ではありません。何か、いい方法はないものか。全国の学生や生徒たちに、塩ビについての正確な情報を提供し、理解してもらえる手はないか。
 いろいろ関係者で議論しているうちに、いいアイディアが出ました! 塩ビに関する分かりやすい解説書を作り、全国の先生方にお送りして、授業に役立てていただこう。ついでに、実際の授業で使ってもらえる、プラスチックや塩ビに関するワークノートも合わせて作ろう。

 このアイディアは、たまたま教科書問題で出版社と意見交換しているうちに芽生え、膨らみ始めました。この出版社の多大な協力を得て、解説書の構成と内容の吟味が進み、ワークノートも同社の手で作成してもらいました。そして、関係者は大変苦労したものの、8月に解説書、ワークノートとも完成し、9月からの2学期開始の時期に間に合うよう、全国の中学校、高等学校で環境教育を担当している家庭科の先生方合計約17,000人に、出版社を通じて発送することができました。

 発送後まもなく、出版社には全国の先生方からの反響が続々舞い込み始め、総数で数百通にもなりました。曰く、「塩ビがこんなものだとは知らなかった、目からウロコが落ちた思いだ」、「この解説書とワークシートを授業に使いたい」等々、私たちや出版社の予想をはるかに上回る、好意的な反応でした。

 私たちは、この本で、特別なことを書いたわけではなく、塩ビに関するいろいろな情報を、丁寧に、分かりやすく書いただけです。それが、家庭科の先生に共感され、授業に使ってもらえる。このことがひょっとして、「先生全体に、塩ビに対する知識が薄く、塩ビについて間違った情報で間違った判断をされていた、この本を読んでそれが分かった、そのことを生徒や学生にも教えたい」という現象なのだとしたら、現状はともかく、方向としては大変喜ばしいことです。

 ちなみに、本誌の第47号でお伝えした、「環境最前線 新たな発見 生活と塩ビ」なる小冊子は、実は今日ここで取り上げた塩ビの解説書と、区別するために表紙の色を変えただけで、全く同じ内容なのです。こちらの方にも、多くの読者の方々からお問合せとご希望を頂戴しました。有難うございました。
 「環境最前線」なる解説書が、中学校、高等学校の教育現場の、文字通りの最前線で、有意義に活用される。私たちにとって嬉しい出来事です。

■随想

古代ヤマトの遠景(2)−纏向遺跡−

信越化学工業(株) 木下 清隆

 前回の最後に、卑弥呼は邪馬台国の女王ではないとの説が有力になってきた、と紹介したが、その意味は簡単である。卑弥呼は倭の女王であって、邪馬台国は「女王の都する所」と『魏志』倭人伝にはっきり書かれている以上、邪馬台国の女王ではないということである。この場合、「倭」或いは「倭国」という大きなエリアの中の一地方として、女王が居住する邪馬台国が在るとイメージされていたことになる。

 では、邪馬台国はどこに在るのかが改めて問われることになる。この邪馬台国探しは昔から続けられ、明治以降は東大の九州説に、京大の大和説が対抗し、更にアマチュアの参加もあって大いに沸いたが、『魏志』倭人伝をいくらひっくり返しても、結局、結論の出ないことがはっきりしてきた。それは距離と方位に関する記述の解釈から、現実的に皆が納得し得る場所を特定できないからである。もっともらしい地点は幾つも提案されたが、それに相応しい遺跡が出てこないのである。

大神神社(拝殿)
 このような中、奈良盆地の東南部にあたる地に「纏向遺跡」(まきむくいせき)と名付けられた、とんでもない大遺跡が発掘された。1970年代である。2世紀末から3世紀の初頭にかけて突如として現れ、4世紀中葉にこれも突如消滅した大都市遺跡である。三輪山の西麓に広がるその遺跡は、3世紀前半で既に1キロ四方に及び、盛期には1.5キロ四方に及んだという。三輪山は大和の守護神の座す山として、古代から天皇家が篤い祭祀を続けてきた山である。今日では大神神社(おおみわじんじゃ)として親しまれ多くの参拝者が訪れている。

 この纒向遺跡の発掘により、これこそ、卑弥呼の都だ、との判断が生まれてきた。巨大都市が突然誕生したことと、卑弥呼の突然の登場とが符合するからである。更に、三輪山の西側の麓には最初期の巨大前方後円墳が幾つも残されている。この中の最も古いとされている箸墓(はしはか)古墳は、3世紀中葉から後葉にかけて造営された古墳で、墳丘長が280mもある前方後円墳である。
 このような纏向遺跡の発掘と、同時代には他地方では全く見られない巨大古墳の存在とから、多くの考古学者は邪馬台国大和説を支持し始めている。文献史学は邪馬台国を特定できなかった。しかし、考古学はこれを特定し始めたといえよう。このように邪馬台国大和説は、これからの潮流になると見られるが、九州説支持者は、未だ、一般ファンも含め根強いようである。

 大和説が専門家の間で有力になるにつれ、箸墓古墳は卑弥呼の墓であるとの説も生まれてきている。これは箸墓古墳の築造年代が、埋蔵品の年代測定等から、段々古い時代にシフトしてきているからである。要するに、築造年代と卑弥呼の没年とが重なってきたということである。卑弥呼は、247年に「狗奴国(くなこく)」との戦いで苦戦していると北魏に報告しており、これに応えて時の皇帝は、わざわざ激励の使者を倭国に遣わしている。卑弥呼は、この翌年、248年頃に死亡したとみられている。このように倭国の中心が大和にあったとするなら、なぜ大和なのかが次に問題となってくる。

(つづく)


お知らせ
【NEW】 これからの快適な住まい作りセミナーIn軽井沢のご案内

 樹脂サイディング普及促進委員会では、下記のセミナーに参加し、樹脂サイディングの紹介を行います。

これからの快適な住まい作りセミナー・軽井沢セミナー
−無暖房住宅へ限りなく挑戦−
日 時 2005年11月14日(月)
13:00〜16:45 (受付開始 12:30)
場 所 ホテルマロウド軽井沢 白樺(1階)
主 催 信州大学工学部
エネルギー自立型環境調和住宅研究会
会 費 無料
参加申込み締切り 11月10日(木)
(定員60名になり次第、締切らせて頂きます。)

参加希望の方は下記までお問合わせ下さい。

信州大学工学部 社会開発工学科
建築コース 山下研究室
電話:026(269)5360


ジャパンホーム&ビルディングショー2005 出展のご案内

日 時 2005年11月8日(火)〜11日(金)
10:00〜17:00
場 所 東京ビッグサイト(東2・3・6ホール)
主 催 社団法人日本能率協会
樹脂サイディング普及促進委員会、樹脂サッシ普及促進委員会にて出展致します。


樹脂サッシ、樹脂サイディングのラジオPRのご案内

 樹脂サッシ普及促進委員会、樹脂サイディング普及促進委員会では、以下のラジオ番組内で、パーソナリティーからの電話インタビューを通じ、PRを行う事になりました。
 聴取範囲は長野県に限られるそうですが、樹脂サッシの導入メリットが顕著な冬の需要期を前に、聴取者の皆様にPR致します。

期 間 2005年11月毎週水曜日(全5回)
実施コーナー 信越放送
ラジオ午後ワイド番組『まるさか亭』
12:25〜15:00内の12:40頃に約4分間

編集後記
 「・・・赤い手拭い、マフラーにして、二人で行った横丁の風呂屋・・・」とは、かぐや姫が歌った「神田川」の一節です。「・・・小さな石鹸、カタカタ鳴った・・・」という歌詞を、哀愁と共感をこめて聞いた時期がありました。
 そこで今日の話題は銭湯。

 というのは実はH2、つい先日、随分久しぶりに銭湯なるところへ行ったんです。家族旅行や仲間との旅行で温泉に行っていわゆるお風呂に入ったことは度々あるけれども、街ん中でお金を払って入りに行くのはもう数十年ぶりでした。東京の江東区、木場の近くまで出かけていって、昼間散々テニスした挙句、アフタファイヴ、いやアフタテニスで飲みに行こうというので、このままじゃあ汗臭くてしょうがない、近くの銭湯へ・・・とあいなった訳です。

 この銭湯で印象深かったこと3つ。一つ目は入浴料金。大人400円でした。H2が学生時代の東京都の入浴料金は、確か16円だったと記憶しています。まあ、この40有余年間の経済成長を考えれば当たり前かな、と納得しましたが、隔世の感を覚えました。
 二つ目は銭湯の番台。昔の番台は、男女両方の脱衣場を見渡せる場所にあって、世の男性諸氏からは、「プロ野球選手と総理大臣と並ぶ、あこがれの職業ベスト3」なんて言われたそうです。ところがここの番台は、脱衣場と反対向いて、入り口に向かってついてる。なんとなく失望しましたが、これも時代の流れでしょうなあ。

 そして最後は浴場の壁画(というのかしら)。当然、富士山あり、浜辺に松の木あり、白帆の帆掛け舟あり、を想像してたら、大違い。富士山の影も形もなく、よく見たら海辺に椰子の木が並んでました。そういえば、今や猫も杓子も海外旅行の時代ですものね。

(H2記)


VEC関連URL
●VEC 塩ビジュニア https://www.vec.gr.jp/kids/index.html
●塩化ビニル環境対策協議会 http://www.pvc.or.jp/
●樹脂サイディング普及促進委員会 http://www.psiding.jp/
●樹脂サッシ普及促進委員会 http://www.jmado.jp/
●メールマガジンバックナンバー https://www.vec.gr.jp/mag/index.html

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