NEW VEC MAGAZINE Vol.05
発行年月日:2003/5/29



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コラム
「…ことダイオキシンに関する限り、塩素系プラスチックを悪と見るのは見当違いの極致!」
塩ビ工業・環境協会 原田 浩
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コラム
「…ことダイオキシンに関する限り、塩素系プラスチックを悪と見るのは見当違いの極致!」
塩ビ工業・環境協会 原田 浩
 久しぶりに、マスコミの中から、こんな、うれしいフレーズを見つけることが出来ました。3月23日付毎日新聞の、「今週の本棚」という書評欄。藤森照信氏が評した、例の、渡辺正、林俊郎著、「ダイオキシン神話の終焉」の書評の中のフレーズです。

 え?「ダイオキシン神話の終焉」という本、ご存知ない? それはいけません。この本は、東大教授で化学者の渡辺正氏と、目白大学教授で健康学研究者の林敏郎氏が著わした、ダイオキシン問題に関するもの。中で両氏は、一時世間を騒がした、「所沢のダイオキシン汚染地域で新生児の死亡率が増加している」とか、「ダイオキシンに汚染された母乳により新生児にアトピーが増加している」といった「学説」が何れも科学的に検討すると事実無根であることを見事に立証しているのです。

 とりわけ、塩ビについてこの本では、「ゴミから塩ビ(など塩素系プラスチック)をすっかり取り除いても、ダイオキシンの生成量は変わらないことがわかっている」、「ゴミの塩素分が0.1%以上でダイオキシン生成量は頭打ちになるが、生ゴミも紙も塩素を既に0.2%以上含んでいる」、「それなのに日本では、誤解による早とちりから、なんと塩ビ製品の非買運動にまで発展した。塩ビ素材をあちこちに使った(その上有害物質をまき散らす)クルマに乗り、塩ビ製の高級バッグを抱え、塩ビの恵む快適な暮らしを楽しみながら、燃やしたときダイオキシン生成量をふやしたりしない塩ビにかみつくのは、どうみてもおかしい」と、塩ビ悪者説を真っ向から否定しています。

 私たち塩ビ業界は、以前から、塩ビとダイオキシンの関わりについて、「ダイオキシンの発生は、燃やすものによるのではなく、燃やす条件によるところが大きい」と主張してきました。まさにこの本の内容と同じことを言い続けてきたのであり、その意味でもこの本に賛同するとともに、著者に対して敬意を表します。

 是非一度書店でこの本を手にとって見ていただきたい、そしてもしも興味が湧いたら、ご一読いただきたい、と思います。
この本を読むことによって、「ダイオキシン神話の終焉」、のみならず、「塩ビバッシングの終焉」にもして欲しい、と心から願うものです。

この本は、「ダイオキシン神話の終焉」渡辺正、林俊郎著、日本評論社、1,600円です。ご参考にまで。

生活バンク・FPの部屋

ファイナンシャルプランナ−(略FP)、長谷部和子
各種情報を自分でチェックする
「人・年齢による情報の選別が必要」

私がFP高齢者セミナ−で講演する時、いつも初めに参加者の皆さんに質問します。
『生活に不安を感じている人手を挙げてくださ〜い』---ほぼ全員が手を挙げます。
う〜ん・・このセミナ−60歳以上90歳の人も居るセミナ−です。
この事実、これが大問題だといつも思っています。なぜならば、不安理由はこれといって無く何となくと皆さん答えます。つまり空気、雰囲気なので対処方法が見つかりません。
そこで皆さんが不安とはとんでもない!年金は100%支給され、余生豊かに生活していなければ、FPセミナ−で資産運用や遺言問題の相談はしないでしょと・・言うのです。

 ≪不安解消→不安の原因は何処にあるのか≫
1. 人・年齢・財産の有無で必要な情報が違うので、自分はどんな情報が必要かを見極める
2. 生活不安・・何時頃の不安を想定しているのか、自分の年齢、家族の年齢を考慮
3. 預貯金の不安・・直近ではペイオフが先送りで良かった(取引銀行情報は常に最新を)
4. 金融不安・金融危機は到来するか!(日本単独では起き難いが外部要因を常にチェック)

これだけチェックして一つづつ不安要因を潰しても、空気は変えられない。
そこで、次回は目に見えない財産を・・これで大体お年よりはニヤリとします。

読者便り
1. Q 塩ビ壁材など建材のリサイクルはどうなっていますか?例えば、今建物を壊し処分するとき、塩ビ材はどうすればよいのでしょうか?将来はどういう見通しでしょうか?現在、建材の選択に迷っています。ぜひ教えてください。(愛媛県 建設業Oさん)

A ご承知のように建設リサイクル法ではミンチ解体を極力避けることがうたわれており、これを受けて塩ビ建材においても色々な再資源化の検討が取り組まれています。
(1)お尋ねの壁紙については以下のような取組み状況です。
新築・改修時や流通問屋で発生した塩ビ壁紙を回収して粉砕・減容し、セメント原料へとリサイクルすることが、日本壁装協会で検討されています。これは東京23区でリサイクルモデル事業としてスタートしたところです。
この回収は、排出者であるゼネコンや協力施工業者の負担で行い、半年間で1000トンの回収を目標にしています。
回収したあとの減容の仕方ですが、RDF化といって廃材を粉砕したあと棒のような形状に押し出し、輸送を楽にします。そのあとでセメントの原料化工場に運ばれます。
東京23区内の実験が済み次第に関東、関西地区と徐々に範囲を広げて全国展開の予定です。
また、同協会や日本ビニル工業会は他の再生市場も開発中で、リサイクルボード、レンガの代わりに屋上緑化などに使うパインブロックなどが考案され、現在、市場評価中です。
(2)床材も塩ビ建材の代表選手ですが、大手床材メーカーがその流通ルートを逆流させた回収・リサイクルのモデル事業を開始しています。また塩ビ部分を削り取って床材に再利用する再生事業者も登場しており、環境対策を重視する電気・電子メーカーなどでの採用が広がっています。
これらはVECや、JPEC(塩化ビニル環境対策協議会)のホームページでも紹介しています。
http://www.pvc.or.jp/pvc/menu1.html

(3)ところで、この壁紙や床材、パイプ、雨樋、窓枠の5つの塩ビ建材は、すでに資源有効利用法で指定表示製品に指定されており、識別しやすい∞マークの表示に取り組んでいます。
また同法ではパイプが指定再資源化業種に指定され、すでに全国的に53箇所の拠点が整備されており、今後さらにその拠点数の拡大が検討されています。このパイプのリサイクルは数年前から開始されており、2003年3月にはグリーン調達品目にも認められました。愛媛県でも回収が行われていますので、塩化ビニル管・継手協会にもお問い合わせください。
(TEL03-3470-2251 http://www.ppfa.gr.jp/

(4)今後の検討課題ですが、塩ビ建材は多種多様ですのでどうしても分別が困難な場合もあります。そこで、建設混合廃棄物として排出場所や中間処分場から大規模な処理センターへ運び、一括処理することも検討されています。これは塩ビや他のプラスチックを木屑やガラスとともに高温で蒸し焼きし、そこから得られたガスを新たに化学原料や発電に再利用する技術に基づいており、化学的リサイクル(ケミカルリサイクル)と呼ばれています。つまり、塩ビだけでなくたくさんの種類の建設廃棄物を一括回収するという、大掛かりな地域資源循環の仕組みをめざすものです。リサイクルコストの多くを占める分別費用もあまりかからず、廃棄物を一括して経済的に有効利用するシステムですので、自治体・国・企業・住民の合意形成のもと、新しい処理方法として注目され始めています。

2. Q:Y氏 (東京 主婦Yさん)
発泡スチロールが塩ビにより溶けるという話を知人より聞きました。
これは、本当の事でしょうか?
本当だとすると、スーパーで見かける発泡トレイとラップで売られている刺身や惣菜に、それら溶け出した物質が混入しているのでしょうか?
また、それらの人体に対する影響はどのようなものが考えられますでしょうか?

A:VEC
塩ビの意味が軟質のラップと思われますので、それとしてご返事します。
発泡ポリスチレンが家庭で使われて溶けたことを見たのは、油がにじみでているような炒め惣菜を電子レンジで加熱したところ、発泡ポリスチレントレイが部分的にへこんだのをみたことがあります。炒め惣菜の油が原因です。
その際、塩ビのラップと発泡ポリスチレンの接触しているヘリの部分が溶けていたとは、記憶に残っておりません。
塩ビのラップは、ラーメン、そば、うどんの出前に何十年と使われてきた実績があります。以上の体験や事実にたって、ラップとトレーの接触についてお話します。

塩ビラップには可塑剤という軟化剤が含まれ、これが柔らかさ、密着性、使い易さを可能としています。テレビなどの電子機器は、筐体・部品等にスチレン系樹脂が多く使われることから、これらを傷めることの無い特殊可塑剤が一般に使われます。これは製品の中の可塑剤が接触面を通して他の物質に移行しない性質があるもので、非移行性可塑剤といいます。
実はご質問の塩ビラップにも、移行の心配のない特殊可塑剤の幾つかが(アジピン酸系と大豆油系)が使われています。ですからお尋ねのご心配は全くありません。
なお、代表的な可塑剤にDEHP(ジエチルフタレート、DOPとも言う)があり、家具などの人造皮革、ビーチボール・ご婦人用のポーチなどの雑貨をはじめ、腎臓病の治療用の人工透析のチューブ、輸血時に必要な血液バッグの分野など、医療用にも使われています。これらは可塑剤と塩ビ樹脂の組み合わせが、柔軟性や触感、耐久性、意匠性、安全性にすぐれているからこそなのです。なお、可塑剤と環境ホルモンについてですが、2002年6月、厚生労働省はDEHPなどの可塑剤が環境ホルモンではないことを発表しています。

詳しいことは下記ホームページをご覧下さい。
日本ビニル工業会  http://www.vinyl-ass.gr.jp/sf/index.html
発泡スチロール再資源化協会  http://www.jepsra.gr.jp/index.html
市民のための環境学ガイド  http://plaza13.mbn.or.jp/~yasui_it/

お知らせ
展示会
・「新潟国際環境ビジネス交流展2003」
  日時:6月26日(木)〜28日(土)
  場所:新潟コンベンションセンター「朱鷺メッセ」(新潟市)
セミナー
1. 法政大学公開セミナー(開催中)
「プラスチック廃棄物とリサイクル問題」
  詳細は下記URLをご覧下さい。
  http://www.temusu.com/hosei/
2. CPDセミナー開催要綱
「人と地球にやさしい住まい造り」
  (民生部門における省エネポイントと促進のための助成制度)
環境省の地球温暖化対策課 清水課長様などからご講演いただく予定にしております。
開催日時 6月24日(火曜日)14:00〜17:10
開催場所 ラフレさいたま 5階「桃」
〒330-0081 埼玉県さいたま市中央区新都心3-2
参加料 無料
主催 塩ビ工業・環境協会
申込み 塩ビ工業・環境協会までご連絡下さい。

VEC関連URL
●VEC 塩ビジュニア https://www.vec.gr.jp/kids/index.html
●塩化ビニル環境対策協議会 http://www.pvc.or.jp/
●プラスチック・サイディング http://www.psiding.jp/
●樹脂サッシ普及促進委員会 http://www.jmado.jp/
●メールマガジンバックナンバー https://www.vec.gr.jp/mag/index.html

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塩ビ工業・環境協会

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