NO.046
発行年月日:2005/09/08

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◇塩ビ被覆廃電線は有害廃棄物にあらず
  バーゼル条約締約国会議で最終決定

まちかど妙報室 −その11:看板だけじゃあ、ダメなんでしょうか?−
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編集後記

トピックス

◇塩ビ被覆廃電線は有害廃棄物にあらず

  バーゼル条約締約国会議で最終決定

 バーゼル条約というのを、ご存知でしたでしょうか。有害な廃棄物が、国境を越えて、主として先進諸国から開発途上国に向けて輸出され、開発途上国で新たな環境問題を引き起こすことを防ぐため、1989年にスイスのバーゼルでの国際会議で採択された、いわば、「有害廃棄物の越境移動の規制法」とでもいうべき国際条約です。1992年5月に発効し、日本は翌1993年に加入しています。

 この条約を管理運営するには、当然のことながら、規制の対象となる有害廃棄物を定義しなければなりません。例えばPCBやダイオキシン、それらを含んだ廃棄物などは当然規制の対象になりますが、それ以外にどんなものを対象とするかについて、関係者間で検討と意見交換がなされ、合意が得られたものについてはその都度、有害廃棄物リスト(付属書VIII)および非有害廃棄物リスト(付属書IX)として公表されてきました。

 さて、使用済みとなった電線類などは、古くから一部は国内で回収再利用されてきましたが、欧米諸国や日本などでは、こういった廃電線類をインドや中国など東南アジア諸国に輸出し、そこで分別回収、再利用を行う習慣がありました。ところがこういった開発途上国では、充分な処理設備がないままに、廃電線類を野焼きして被覆材と中身の銅線とを分離し、銅のみを回収するケースが多く、この野焼きの時に有害ガス等が発生して環境問題になるとの指摘がありました。そのため、いわゆる「プラスチック被覆電線」が、バーゼル条約にいう有害廃棄物ではないか、付属書VIIIに記載すべきではないかとの議論が、数年前から国際会議のテーマの1つになっていました。

 この「プラスチック電線」のなかには塩ビで被覆したものが圧倒的に多く、この議論の推移は私たち塩ビ業界にとって重要な関心事でした。
 確かに不適切な設備や条件でこれら塩ビ被覆電線屑を焼却すれば、ダイオキシンなどの有害ガスが発生し、その付近の環境に悪影響を与える懸念があることは確かです。
 しかし、野焼きという処理手段は、どんなものを燃やす場合でも環境影響上適切ではなく、例えば日本国内では基本的に禁止されている程の、いわば違法行為です。むしろ野焼きという処理手段を、それぞれの国内法で規制することが本来であり、先決であって、こういういわば違法行為を前提として、燃やされる物質の移動を条約で規制するのは、本末転倒ではないでしょうか。

 私たちはこういった考え方から、バーゼル条約の会議が開催される都度、意見書を提出したり、会議に出席して主張したりの活動を続けてきました。
 その結果、昨年10月の第7回締約国会議で、この問題に決着がつきました。プラスチック被覆電線を、非有害廃棄物リスト(付属書IX)に記載する、ただし、タールやPCB等の有害物が付着したり含まれたりするものについては、有害廃棄物として付属書VIIIに載せる、というものです。

 この結論には私たちも賛成です。他の有害物に汚染されたものは電線であれ何であれ、環境汚染を引き起こすでしょうし、野焼きに対する考え方も、私たちの主張が取り入れられ、野焼きなどの処理手段については、それぞれの輸入国で適切に管理すべきものであるとのはっきりした見解が示されました。何よりも、塩ビに対して公平な判断が示されたことを大変嬉しく思っています。

 この改正は本年4月20日に国連事務総長から各締約国に通報され、日本でも6月30日に外務省告示で公表されました。正式には10月8日付で効力を生じるようです。
 塩ビ被覆廃電線は有害廃棄物にあらず。また1つ、塩ビに懸かっていた雲が晴れました。ありがたいことです。

まちかど妙報室

まちかど妙報室 −その11:看板だけじゃあ、ダメなんでしょうか?−


 今から3年ほど前の日曜日、都内の某下町を歩いていた時のお話です。
 小さな空き地がある脇のアパートの壁に「敷地境界に疑義があるので、売買の関係者は土地の所有者に至急連絡するよう」求める、手書きの看板がありました。ところが、張り出された日付を見ると、すでに1年以上も前のものでした。でも未だに看板が撤去されていないことからすれば、相手からは何の反応も無かったようで、らちがあいていない感じでした。
 単に文書を出したり、看板をつけたりするだけでは駄目で、やはり、相手と直接接触して、じっくり話し合うことの大切さを物語っているようです。

 最近、行政や大企業が、塩ビに対する認識を正常なものに見直し、グリーン購入の基準を改正する動きが目立っています。これも、塩ビ業界で活動をしている人達が、行政や企業の担当の方達と直接、じっくり、何回も話し合って正しい事実を伝える努力をしたからでしょう。
 また、逆に、ある塩ビ忌避を進めた人のお話だと、反塩ビの活動家が毎日のようにやって来て、塩ビを使わないようにしなさいと言う、不合理とは思ったけど、根負けしましてね・・・とのことでした。
 いずれにしても、手紙やメールで主張を展開したり、パンフレットや資料で詳しいデータを示すだけでなく、信念と誠意をもって、じかに話し合うことが間違いなく大切なようです。
 と、かく言う浮遊子などはそうした行動をあまりやったことがなく、大いなる反省に思い至らせてくれた、この看板でした。
(浮遊子)

お知らせ
【NEW】 これからの快適な住まい作りセミナーIn長野のご案内
 樹脂サイディング普及促進委員会では、下記のセミナーに参加し、樹脂サイディングの紹介を行うとともに、樹脂サイディングを使用した住宅の見学会も行う予定です。

これからの快適な住まい作りセミナー・長野セミナー
−無暖房住宅へ限りなく挑戦−

日時 2005年9月21日(水)

13:15〜17:00 (受付開始 12:30)

場所 メルパルク長野 3階会議室 「飛翔」

主催 信州大学工学部
エネルギー自立型環境調和住宅研究会

参加申込み締め切り 9月14日(水)
(定員70名になり次第、締切らせて頂きます。)

参加希望の方は下記までお問合わせ下さい
信州大学工学部 社会開発工学科
     建築コース 山下研究室
電話:026(269)5360


日経住まいのリフォーム博2005(第1回)出展案内
開催日時 2005年9月15日(木)〜18日(日)

10:00〜17:00(最終日のみ16:00まで)

開催場所 東京ビッグサイト(西1・2ホール)
入場無料

主  催  日本経済新聞社

樹脂サッシ普及促進委員会、樹脂サイディング普及促進委員会にて出展致します。
9月15日(木)14:00〜14:20 会場ステージにて樹脂サッシ普及促進委員会で、内窓樹脂サッシの取付実演を致します(無料)。是非、ご来場下さい。

編集後記

 9月の声を聞き、プロ野球もいよいよ大詰め近く、佳境に入ってきましたな。セリーグは阪神と中日の鍔迫り合い、パリーグはソフトバンクを必死に追うロッテ。
 ここで、面白い(くだらない)お話。阪神の監督は岡田ですよね。中日は落合、ソフトバンクは王。3人とも苗字が「お」から始まる。じゃあ、ロッテは? 残念、「バ」レンタインでした。
 うーん、これだけじゃあ、もう1つだな、なんかないかな?と考えていたら・・・。パリーグ3位(8日現在は何位になってるか)のオリックスは仰木監督なのです。ひょっとして3位を好い条件で維持すれば、プレーオフに出て来ることあり得る。もしそうなれば、プロ野球12球団のうち、苗字が「お」から始まる4監督(他には「お」から始まる監督さんはいない)が、優勝争い、シリーズ争い。「今年のプロ野球四天王(『お』)」といえるのですが・・・。
 いや、別にH2はロッテが嫌いだとか、オリックスのファンだとかではありません。念のため。

(H2記)


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