NO.029
発行年月日:2005/04/28

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トピックス
◇知ってましたか?リサイクル塩ビの省エネルギー性能
  バージン品のなんと1/3〜1/6のエネルギー消費なのです。

随想
名古屋で第9回APVN会議開催される
塩ビ工業・環境協会 高橋裕明
お知らせ
編集後記

トピックス

◇知ってましたか?リサイクル塩ビの省エネルギー性能

バージン品のなんと1/3〜1/6のエネルギー消費なのです。

 私たちVECのメンバーは、いろいろな所で塩ビについての情報を話すとき、「塩ビは、マテリアルリサイクルの最も進んだ樹脂です」と、いつも主張しています。「塩ビはダイオキシン問題の主要な要因物質ではありません」とか、「塩ビは難燃性や加工性に富み、社会の広い分野で役立つ、有用な樹脂です」とかいう台詞と、いわばトリオで喋ります。

 塩ビのマテリアルリサイクル率は、2003年度で推定24.8%、全排出量の約1/4に達しており、他のプラスチックに比べて格段の差をつけています。塩ビも含む全プラスチックでは同じ2003年度でマテリアルリサイクル率は16.1%に過ぎません。

 塩ビといっても、その用途は種々様々で、建材から家庭雑貨まで実に幅広いのですが、その中でマテリアルリサイクルが大変進んでいる分野が3つあります。それはパイプや継手類、農業ビニル類、電線被覆類の3つで、私たちは敬意をこめてこの3分野を、「マテリアルリサイクルご三家」と呼んでいます。
 パイプ類のリサイクル率は52%、農業用ビニルは50%、電線類でも35%に達しており、その他の分野とあわせて、合計28万トン/年以上がマテリアルリサイクルされているのです。

 さて、このマテリアルリサイクルですが、新品の樹脂を使って製品を作る場合に比べて、著しく省エネルギーであり、かつ環境負荷が少ないのです。ご存知でしたか?

 私たちは、パイプ、床材、再生農ビ材料(グラッシュ)のそれぞれについて、新品の樹脂(バージン樹脂)を使って作った場合と再生塩ビで作った場合との、必要エネルギーや環境負荷(CO2、NOx、SOxなど)の差を調査しました。その結果、リサイクル塩ビ使用の製品は、バージン品に比べて、エネルギーでは15〜34%程度しか必要としないこと、CO2は23〜48%程度、NOxは14〜23%程度、SOxは15〜38%程度しか発生させないこと等が分かったのです。

 このデータは、いわゆるLCA調査に基づくものなのですが、こういったデータ以外にも、いろいろ多面的に、研究や調査が行われています。よく知られたものとしては、「塩ビ樹脂は、他のプラスチックに比べて、製造工程でのエネルギー消費量がかなり少ない」という事実。また、「パイプや農業用フィルムなどの塩ビ製品は他素材に比べて、製品製造までの消費エネルギーやCO2排出量が、格段に少ない」という事実。いずれも、国内外の調査機関が調査した結論です。

 こう見てくると、塩ビという素材は、物性面や加工面を長所とするだけでなく、省エネルギーの面でも、また環境負荷という面でも優れた特徴をもつ、素晴らしい素材であるといえるのではないでしょうか。
ぜひ、こういった事実もご認識いただいて、その上で塩ビを評価していただきたい、と私たちは考えます。

 なお、上記LCA調査については、最近VECで発行した「塩ビファクトブック2005」に掲載されています。また、VECのホームページでもどうぞ。
https://www.vec.gr.jp/fact/chapter5/LCA3.html

随想

名古屋で第9回APVN会議開催される

塩ビ工業・環境協会 高橋裕明


APVN会議風景
 アジアおよび太平洋地域における塩ビ・塩素産業のネットワークとして、1999年に設立されたAPVN(Asia PacificVinyl Network)は、現在オブザーバー参加の中国を含め12ヶ国が加盟して、環境問題についての対応を中心に活動しています。この4月18日、第9回目のAPVN会合が名古屋で開催されました。今回は、欧米からの招待講演者を含め、12ヶ国32名が参加して、昨今の化学物質管理の国際的な政策への対応などについて活発な議論が交わされました。

 会議の話題を2、3紹介しますと、塩ビ樹脂の多くはパイプなどの建設資材として使われるため、各国の経済状況に応じて増減はあるものの、特に、中国、インドの需要は大きく伸びているとの報告がありました。
 おもしろい取り組みとして、タイでは、塩ビパイプを土台として、サンゴを取り付け、漁礁にしたところ、サンゴが成長するばかりかイソギンチャクや貝、魚などの棲家にもなり、これに目をつけてサンゴ養殖プロジェクトを産官学共同で展開していることが紹介されました。
 アジアにおける日本の企業の中には、塩ビに対して未だに誤解があるなどの指摘もあり、いくつかの課題について、今後も情報交換と協力を継続することを確認して閉会となりましたが、塩ビが生活基盤整備に欠かせぬ素材であることが、各国の報告からうかがえたのは心強い思いでした。

 今年、APVNは環境NPOとして法人化される予定であり、今後、アジア・太平洋を代表する産学会ネットワーク組織として、更なる国際的な活動が期待されます。

万博会場の唐傘ルーバー
万博会場の紙風船ルーバー
 ところで、名古屋といえば、「愛・地球博」の真っ最中。翌19日に、会議参加者を万博会場にご案内しました。驚いたことに朝7:45ホテルフロント集合にもかかわらず、誰一人の遅れもなく希望者全員が集まり、JRとリニモを乗り継いで長久手会場へ。会場では、塩ビが使われている施設が多数あることから、それらのいくつかを紹介し、塩ビパイプリサイクル樹脂で作られたしゃれたベンチも紹介しました。
 「万博」についてご存知ない方もいらっしゃいましたが、好天にも恵まれて、愛知万博の印象と、そこで活躍している多様な塩ビの印象とは、ともに強烈に参加者の心に残ったのではないかと思います。

お知らせ
展示会 出展紹介

・第3回「三重の21世紀リーディング産業展」


開催日時 2005年5月20日(金)〜21日(土)
10:00開場

開催場所 四日市ドーム
(四日市駅より無料シャトルバス運行)

主   催 三重の21世紀リーディング産業展実行委員会

入場無料

塩ビ工業・環境協会は、「エネルギー・環境ゾーン」に樹脂サッシ、樹脂サイディング関連、及び各種リサイクル塩ビ製品の事例を展示いたします。


「塩ビ製品カタログ」が発行されました。
「塩ビ製品カタログ」(塩化ビニル環境対策協議会/塩ビ工業・環境協会編)が発行されました。
私達の日常生活のあらゆる場面に登場し、その豊かな生活の一端  を担う塩ビ製品の主要なものをまとめた小冊子です。
ご希望の方は、下記URLよりご請求下さい。
https://www.vec.gr.jp/shiryo.htm

編集後記

 H2がかなりの大酒飲みだということは、広く知られています(かな?)が、先週末から禁酒しています。というのも、先週、30年ぶりに歯が痛くなり、右のほっぺたがプクッと腫れて、家人に「ウチのこぶとりじいさん・・・」といわれる状況になったからです。
 歯のほうは歯医者で手当てをし、治ったら虫歯を抜くことになりそうですが、気になるのはアルコールでして、いつから飲めるようになるかな?早く飲みたいな、と気もそぞろ。しかし、考えようによっては、酒飲まなくったって死ぬ訳じゃなし、いっそこれを機会に禁酒するか、と有り得ない妄想したりの今日この頃です。

 おっと、書き忘れるところでしたが、年に一度のゴールデンウイークのため、このEKMM、来週5月5日(木)の発信はお休みです。12日にまた、お目にかかりましよう。遊びすぎて虫歯など作りませんように・・・。

(H2記)

VEC関連URL
●VEC 塩ビジュニア https://www.vec.gr.jp/kids/index.html
●塩化ビニル環境対策協議会 http://www.pvc.or.jp/
●樹脂サイディング普及促進委員会 http://www.psiding.jp/
●樹脂サッシ普及促進委員会 http://www.jmado.jp/
●メールマガジンバックナンバー https://www.vec.gr.jp/mag/index.html

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