NO.020
発行年月日:2005/02/24

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◇アバタモエクボも載っている、「PVC FACT BOOK 2005」発刊
事実とデータに基づいた塩ビの総合的資料集の改訂版

随想
言葉の意味
倉敷市 牧野 哲哉
お知らせ
編集後記

トピックス

◇アバタモエクボも載っている、「PVC FACT BOOK 2005」発刊

事実とデータに基づいた塩ビの総合的資料集の改訂版

 VECは塩ビに関する事実と正確なデータを広く社会に発信し、ご理解を得る活動を繰り広げてきています。そのための資料として、塩ビの特長や使用用途、生産販売量などのデータ、環境問題との関係や取組などについて延べ数十種類に及ぶ各種パンフレット類を作成し、紹介してきました。このたび、そういった資料類の集大成とでも言うべきものとして、「PVC FACT BOOK 2005」を編集し、発刊しました。

 この、通称「ファクトブック」は、その他のパンフレット類とちょっと違った内容です。というのは、普通のパンフレット類は、発行元が告白するのは何ですが、どうしても、塩ビのことを悪く言うのは避け、表面を糊塗して、「良いですよ、塩ビというのはこんなに良いものですよ」と主張しがちだったのです。
 それではダメだ。塩ビの良い所も悪い所も全部明らかにして、それに対する業界としての意見を述べ、社会の理解を得なければいけない。アバタもエクボも見せるんだ。
 ということで、このファクトブックでは、「事実とデータに基づいた」情報を満載し、塩ビ業界にとって都合の悪い情報も敢えて取り入れて社会のご批判を仰ぐ姿勢を貫きました。

 A−4版で106ページ6章からなるこの本は、一昨年2003年11月に初刊しましたが、その後の状況の変化やデータの追加などを含めて改定し2005年版として発刊したものです。
 主要な改定の内容は、塩ビ製造工場からの化学物質の環境への排出量削減の成果、全国のダイオキシン発生量の劇的な減少、塩ビ関連の各分野でのリサイクルの進展、可塑剤DEHPに関するリスク評価の進展、LCA手法による塩ビ再評価の高まり、といった情報を追加したことです。さらに、主要国における塩ビ樹脂生産量、メーカー別生産能力、世界の塩ビ需要予測、可塑剤の生産量と用途など、初版以降の諸データを反映させました。

 今後私たちはこの資料集を、業界関係者はもとより、塩ビユーザー業界、行政機関や有識者の方々、マスメディアや消費者団体の方々、さらには一般の消費者の方々などへもご提供し、塩ビの正確な情報をご認識いただく手立ての一つとして使う所存です。本書についてご興味のある向きは、遠慮なくVECへお問い合わせください。

 なお、2003年版の内容は、VECのホームページにも掲載されており、この改訂版についても近く収載する予定ですので、そちらも是非ご一覧ください。
https://www.vec.gr.jp/fact/index.html

 この資料集をお読みいただくことによって、皆様の塩ビに関する知識が少しでも豊富かつ正確になり、塩ビに対する理解と認識が少しでも深まることが私たちにとって大きな希望であり、喜びでもあります。


随想

言葉の意味

倉敷市 牧野 哲哉


 私は長年、塩ビの製造技術開発に関わり、退職直前の十数年間は環境問題に取り組んできました。環境問題は、技術的な問題も重要ですが、社会的、政治的な側面への考慮なしには仕事は進みません。私はその方面に不慣れだったためか、予想外の困難に出会ったものでした。言葉が通じないのです。日本語なのに通じないのです。

 言葉の意味には、直接その言葉の表す意味と、その言葉が話された状況を考えて気が付く裏の意味と、二つあります。社会的、政治的な側面は言葉の裏の意味を解さないと話が進まない事が多いですね。お互い立場上、直接的な表現の言葉が使えない場面があるのだろうと思います。こんな時、事務系の人は、実にスムースに話を進められるので感心したものです。

 ところが、技術系の仕事は、言葉を正確に使わなければ混乱するので、自然に訓練されて、いつも表の言葉通りの意味しか考えないクセがついているのです。誰だって言葉の意味には裏があること位は知っているのですが、どうしても、表の意味だけで話を進めてしまい、後で変だなと気が付くのですが、日頃訓練されていませんから、どうして良いか判らない状況によくなりました。

 例えば、「お前は馬鹿だ」と言われて、ぷんぷん腹を立てて、馬鹿でない事を証明するために躍起になって、昔の学校の成績証明書を引っ張り出して来て、ほら、見てみろ、俺は馬鹿じゃないだろう、とやりたくなるのが技術系の人間のクセですね。でも、「お前は馬鹿だ」と言った相手は、本当に馬鹿だと思っているのではなく、そう言って褒めている場合だってある訳です。これが分らないのです。馬鹿だと言われて喜ぶほどひねくれちゃいないと、すぐ思ってしまう。

 ダイオキシン問題や塩ビ可塑剤問題にも似た所があります。塩ビはダイオキシンの元凶と言われ、塩ビ排斥運動が起きました。私達は、ダイオキシンは食塩からも発生する事や、焼却をキチンとすればダイオキシンの発生を防げることを証明し、学会発表までしました。だから、焼却をキチンとやれば塩ビを使っていても大丈夫です、と言う訳です。でも結局、これだけで塩ビ忌避は止まりませんでした。塩ビでなければ困る包装用途以外は、塩ビの包装は市場から消えてしまいました。言葉の裏を読むことに不慣れな私達は、他に何をすれば良いのか分りませんでした。

 塩ビは明らかにスケープゴートにされていたのです。塩ビが大丈夫になったら困る人達があまりにも沢山いて、多勢に無勢、押しつぶされたのだと思っています。当時、これに対抗するには、余程の政治力と資金が必要だったと思うことにして、苦闘した自分を慰めることにしています。

 塩ビ可塑剤であるDEHPの安全性問題にも似た所があります。私は、DEHPを可塑剤とした軟質塩ビ製の医療器具が幾多の生命を救い、今この瞬間にも救い続けていることを知っています。DEHPの安全性は疑いのないもので、安心して使って良いと思っています。そのための試験データは充分過ぎるほど揃っています。でも、DEHPは使ってはいけないとする人達が大勢います。何故なのか、何か私達は言い落としていることがあるのだと思います。DEHPは安全だと言うだけでは足りない、別の「言葉」が必要なのだと思っています。それが何なのか、まだ、私には判りません。残念ですが。

 気が付いている方がいらっしゃれば、是非、教えて貰いたいです。


お知らせ
セミナー

樹脂サイディング普及促進委員会でセミナーを開催しております。


沖縄セミナー

日時 3月3日(木)13:00〜17:00
場所 カルチャーリゾート フェストーネ
主催 住まいづくり研究会

※参加希望の方は下記までお問合わせ下さい

樹脂サイディング普及促進委員会
電話 03(3297)5782
Fax 03(3297)5783
編集後記

 おかげさまでこのメルマガ、第3巻の20号まで来ました。
 最近はいろんな方から、いろんなお便りをいただきます。
 17号「寒い風呂場は年寄りの敵」については、温泉地で露天風呂に入るのが趣味という方から、「ダイジョブでしょうか?」とのお問い合わせをいただいたり、18号の「海ガメを殺した犯人は?」の時は、「全く同感。塩ビの汚名をそそぐため、VEC頑張れ」との励ましを頂戴したり。
 19号「結露を防ぐ中古のタオル」の時は、なんとここVECのオフィスの管理会社の担当者が直々来会されて、温度調節のコツを教えてくれました。いやいや、楽しくもありがたいものです。

 さて、前回の数字語呂合わせ、如何でしたか?多数のご回答をいただきましたが、残念ながら全問正解者は10人に届きませんでした。正解は以下のとおりです。

(1)1080:富山、(2)1892:岩国、(3)2784:船橋、(4)4980:横浜、
(5)5238:宇都宮、
 そのうち、第2弾をやりますので、お楽しみに。(H2記)


VEC関連URL
●VEC 塩ビジュニア https://www.vec.gr.jp/kids/index.html
●塩化ビニル環境対策協議会 http://www.pvc.or.jp/
●樹脂サイディング普及促進委員会 http://www.psiding.jp/
●樹脂サッシ普及促進委員会 http://www.jmado.jp/
●メールマガジンバックナンバー https://www.vec.gr.jp/mag/index.html

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