塩ビ工業・環境協会
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焼却設備の腐食は防げます

 廃棄物焼却処理の目的は、廃棄物の減容化・減量化や廃棄物の無害化・安定化にあり、焼却は廃棄物処理の優れた方法です。従来、わが国の都市ごみ焼却による発電利用は積極的には行われてきませんでしたが、都市ごみに大量の紙類やプラスチック類が混入するようになり発熱量が増大してきたことや売電が認められるようになるなどの状況変化により、都市ごみ焼却による発電能力は年々増加しています。

 燃焼ガスからの熱の回収はボイラー管を通して行われます。当然、都市ごみの中には、塵芥ごみなどに含まれる塩素分や塩素を含むプラスチックの他、塩素同様酸性ガスの原因となる硫黄成分も含まれています。これら成分は、燃焼過程で塩化水素、食塩、塩化カリウム、その他の金属塩化物や硫化物などに変化し、ボイラー管に付着したりすることにより、ボイラー管の腐食を引き起こします。ところが、ボイラー管の管壁温度が400℃を越えるようになると、壁面に付着堆積した低融点塩化物が溶融塩となって急激に起こる設備腐食も、管壁温度を320℃以下に保てば特に問題とならないことが知られています。

 

ごみ焼却炉における缶体温度と腐食
ごみ焼却炉における缶体温度と腐食

引用資料:

Von K.Fäßler, H.Leib und H.Spähn, Ludwigshafen/ Rhein, Korrosionen an MüllverbrennungsKesseln, MITTEILUNGEN DER VGB48 Heft 2 Aprill(1968)/志垣政信編著:絵とき廃棄物の焼却技術(改訂3版)、P.62、図3-1、平成12年10月20日、オーム社


 そのため、800~900℃ある炉内を流れる排ガス温度に対し、ボイラー管に供給する水量を調節することによって外側表面温度を320℃以下に保ち、ボイラー管の腐食を防いでいるのです。

 一方で最近では、エネルギー効率を上げた高効率発電の検討が進められています。発電効率はボイラー温度と比例的な関係にあることから、高効率廃棄物発電では400℃以上の蒸気を発生させる必要があります。前述したように、ボイラー管温度が400℃以上になるとパイプの腐食が進むことから、高効率発電に向かうには、焼却設備の腐食対策が必須となります。その対策方法として、ボイラー構造設計の改善や高耐食性のボイラー管材の開発が鉄鋼メーカーや公的研究機関で取組まれています。

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