塩ビ工業・環境協会
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整備された焼却設備で排ガス対策も万全

1.大気汚染物質抑制技術は大きく進展

 廃棄物には様々な物質が含まれるため、焼却するととかく話題となるダイオキシン類ばかりでなく、煤塵や硫黄酸化物(SOx)、窒素酸化物(NOx)、塩化水素などの酸性ガスや多環芳香族炭化水素類などが発生します。特に塩化水素に関して言えば、塩化水素の発生源は廃棄物中の塩ビ製品に限られるものではなく、台所から出る厨芥ごみや紙類に含まれる無機塩も塩化水素を発生させる素として知られています。ちなみに、かつて、多方面で使われていた包装用の塩ビ製品は減り、昨今の一般都市ごみの中に占める塩ビ製品の割合は多くても1%ぐらいといわれています。

 ところで、わが国では大気汚染防止の観点から、大気汚染物質抑制技術は大きく進展してきました。例えば、SOxや塩化水素などの酸性ガスの処理は、排ガスに消石灰や苛性ソーダなどの薬剤を吹き込み、下流に設けたバグフィルターで薬剤を捕捉し、バグフィルターを通過する際に酸性ガスを中和処理する方法(乾式法)や、苛性ソーダを含む液中に排ガスを通し、中和反応により酸性ガスを除去する方法(湿式法)が一般的に行われています。また、NOxはバグフィルター後の脱硝装置で分解されています。

 

ごみ焼却炉システム構成図(略図)

ごみ焼却炉システム構成図(略図)

 

 

2.塩化水素も厳しい排出基準をクリア

 焼却炉から排出されるこれら大気汚染物質には排出基準が定められており、例えば、塩化水素の大気への排出基準値は700mg/m3N(430ppm)となっています。実際には、自治体の上乗せ条例や地域協定により、はるかに厳しい基準(おおよそ40ppm以下)が設けられていますが、近年の排ガス対策技術(設備と運転管理)の大きな向上により、このような厳しい排出基準を十分クリアすることができています。

 例えば、廃プラスチックの焼却処理への方針転換に際し行った東京二十三区清掃一部事務組合の調査(2005年)によれば、塩化水素がある程度増加することに関して、ほぼ全ての清掃工場が「設備的に余裕があり、特に問題なし」と回答している通り、プラスチックを含む一般廃棄物焼却による塩化水素は全く問題になっておりません。一方、産業廃棄物の焼却炉では、塩ビ製品の混在した廃棄物を焼却することもあります。塩ビ製品が10%以上入った廃棄物でも、排ガス処理能力を増強すれば焼却できるとの幾つかの事例(焼却施設)が塩ビ工業・環境協会の調査でわかりました。当然、いずれの施設においても、排ガス基準値をクリアしています。

 

塩化水素: 塩素と水素が結合した気体で刺激臭があります。水に溶かしたものが塩酸で、胃酸の主成分としても知られています。

 

 

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